物価高騰や他業態との競争激化が続くコンビニ業界で、ローソンが2026年3〜5月期の第1四半期に大手コンビニの中で唯一となる客数増(前年比101.2%)を達成した。チェーン全店売上高、営業収益、事業利益、親会社の所有者に帰属する当期利益のすべてで第1四半期として過去最高を更新。全店平均日販も第1四半期実績として6年連続で過去最高となる59万4,000円を記録し、ファミリーマートを上回った。
「お得」と「非食品」の両輪で集客
業界トップのセブン-イレブンは2026年3〜5月の客数が前年同期比0.9%減、ファミリーマートも2.1%減と減少傾向にあるなか、ローソンの客数は1.2%増。3〜5月期は、おにぎりを2個買うとドリンクがもらえる『ハピとく祭』や、自社アプリを活用した割引キャンペーンなど、節約志向にマッチした施策が客足の伸長に寄与したという。
同時に、日用品や玩具などの「非食品群」も好調だ。マンダムと共同開発したボディシート『GATSBYアイスボディペーパー フィグの香り』は、昨年発売され「香水いらずのいい香り」とSNSや口コミで話題に。今年は同じ香りのクールタイプのスプレーとボディミストも発売し、ラインアップを拡充した。
また、コールマンと共同開発した『コールマン 晴雨兼用・自動開閉折りたたみ傘』は、4〜5月の段階で約13万本を販売。6月以降も売り上げを伸ばし、累計販売数は20万本規模に達している。
エンタメとグループ総合力で「目的買い」を創出
トレーディングカードやエンタメくじといったエンタメ系商品も、「特定の商品を買うために目的地としてローソンを目指す」という来店動機を作り出している。ローソンは国内最大級のチケット総合サイト「ローソンチケット」や「HMV&BOOKS」、「ローソン・ユナイテッドシネマ」などグループ内にエンタメ関連事業を持ち、チケット購入からライブ、CD購入、関連商品やくじまで「推し活」の流れをつくれることが特徴だ。
エンタメ事業部の小野栞さんは「商品開発においては、例えば、アニメ映画の公開情報をいち早くキャッチアップして交渉を進めるなど、お客様の需要にしっかりと応えられるよう取り組んでいます」と話す。昨年の50周年には『LAWSON 50th Anniversary presents Special LIVE』を開催し、初音ミク、GLAY、櫻坂46/日向坂46などによる公演を実施した。
無印良品との協業でアパレル需要を獲得
コンビニ各社がアパレル市場に注力するなか、ローソンは良品計画との協業を軸に展開。2022年5月から無印良品の定番アイテムの販売を開始し、今年6月には共同開発商品『無印良品 綿天竺編み クルーネック半袖Tシャツ』を投入。衣料品売り場を棚1本から2本に拡張し、取り扱いアイテムも46から79へ増やした。売場拡大後、無印良品の衣料品の売上高は前年同期比約4割、衣料品全体では約3割伸長した。
商品本部 生活・日用品部の大橋妙子さんは「お客様がワクワクするような商品を揃え、食べ物だけでなく日用品のお買い物の場としてローソンを選んでいただけるよう考えてきた」と話す。今後の展望については「近くのローソンでいつでもお気に入りの無印良品が買えることに加え、ローソンでしか買えない商品の展開もテーマ」と語る。
大橋さんは「今年、災害情報の受発信や水・食料の供給、通信・電力の確保等を備えた『災害支援ローソン』の1号店を千葉県富津市にオープンさせました。今後、とくに地方ではコンビニが地域のライフラインとして重要な存在になっていく。食品はもちろん、日用品全般においてもローソンがあれば安心できるというお店になれれば」と話す。「欲しいものがあるから行く」だけでなく「そこにあると安心できる」場所へ、コンビニの価値は広がろうとしている。



