KADOKAWAは6月24日、同日開催した第12期定時株主総会において、代表執行役社長CEOである渥美隆一氏の取締役再任を可決したと発表した。物言う株主であるオアシス・マネジメントが提出していた渥美氏の解任議案は否決された。
新取締役12人を選任、社外取締役7人に
新たな取締役は12人で、社外取締役が7人を占める。渥美氏や、ドワンゴ創業者である川上量生氏が引き続き取締役を務め、社外取締役には大熊一成氏が新たに就いた。執行役では、アニメ事業を担当する田中翔氏が新たに執行役に就任した。
オアシスの提案背景と否決の経緯
オアシスは2020年からKADOKAWAに経営改善を求め、3月にソニーグループを離れて物言う株主となった。4月には、渥美氏がCEOに就いた21年からの業績悪化を理由に、取締役解任を求める株主提案を提出したが、KADOKAWAの取締役会は5月14日、解任は「改善の継続性および経営の安定性を損なうおそれがある」などと提案に反対していた。
ISSなど議決権行使助言会社は、渥美氏の再任に反対し、オアシスの解任提案に賛成するよう推奨していた。さらに、角川歴彦元会長も6月16日、懇意業者を介した社内調査で名指しされたなどとして渥美氏らを提訴。角川氏は株主として、オアシスの提案に賛成する意向を示していた。
業績悪化の背景と課題
業績悪化は渥美氏の事業戦略の失敗によるものだとされ、出版事業の業績悪化のほか、子会社フロム・ソフトウェアの「ELDEN RING」の利益流出、「ニコニコ」の競争力低下も問題視されている。ドワンゴ発のWebサービス事業と、ドワンゴ創業者の川上氏が立ち上げた教育事業だけで、全体の営業利益(81億円)の約6割を占めている。
サイバー攻撃とAWS移行の影響
渥美氏はAWS Summit Japan 2025で、進めていたAWS移行とそのさなかに発生したサイバー攻撃について振り返った。セキュリティ問題は他人事ではないと述べ、同氏の経営手腕が問われる局面となっている。



