日本血液製剤機構、千歳に免疫グロブリン新工場 2032年稼働へ
日本血液製剤機構、千歳に新工場 32年稼働

国内大手医薬品メーカーの日本血液製剤機構(JB)は、感染症や免疫関連疾患の治療に不可欠な「免疫グロブリン製剤」の製造工場を、既存の千歳工場(北海道千歳市)の隣接地に新設すると正式に発表した。総投資額は約2000億円に上り、2031年に着工、2032年の稼働開始を目指す。

国内自給率の低下が背景

免疫グロブリン製剤は、感染症や免疫異常の治療に欠かせない医薬品で、現在はJBを含む国内3社が製造している。約10年前には国内自給率がほぼ100%だったが、海外製剤への依存が急速に高まり、2025年度には約60%にまで低下。政府は安定供給の観点から国内自給率100%を目標に掲げており、JBの新工場建設はこの目標達成に貢献するものだ。

生産能力の大幅増強

JBの現在の免疫グロブリン製剤生産量は2026年度時点で65万リットル。新工場の稼働により、2032年には生産量を1.2倍に拡大し、さらに2035年には現状の2倍にあたる130万リットルへの増産を計画している。新工場では、これまで手作業に依存していた血漿(けっしょう)の取り出し工程をロボット化し、AI(人工知能)を導入するなど、先端技術を積極的に活用する。また、既存の千歳工場でも製造ラインを増強し、全体の生産体制を強化する方針だ。

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立地決定の理由と今後のスケジュール

JBが千歳市を新工場の建設地に選んだ理由について、同社は「他の2社の製造拠点が西日本に集中しているため、北海道に拠点を設けることでリスク分散と安定供給が図れる」と説明している。JBは近く千歳市と用地取得の協議を開始。建設資金は銀行融資で賄う方針だ。

理事長のコメント

JBの中西英夫理事長は「新工場の稼働により、国内需要の半分以上を供給できるようになる。安定供給に貢献したい」と述べ、今回の投資が国内医薬品の安定供給に果たす意義を強調した。

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