東洋経済オンラインのYouTubeチャンネル「きしたかのとスパルタ四季報学園」に、新講師として元『会社四季報』編集長の山本隆行氏が登場。投資対象として「いい会社」を見極める方法を伝授した。テーマは「筋肉質な会社」の見つけ方で、売上高が減少しても利益を確保できる企業の特徴を解説。特に、減収増益のカラクリや、企業の真の稼ぎ頭を四季報のデータから読み解く手法が紹介された。
「筋肉質な会社」とは?減収増益の仕組み
山本氏は、企業の収益力を測る指標として営業利益率の重要性を強調。「筋肉質な会社」とは、売上高が減っても利益率が高く、収益構造が頑健な企業を指す。例えばパナソニック(6752)は減収傾向にあるが、営業利益率は改善しており、山本氏は「減収増益の好例」と評価。一方、トヨタ自動車(7203)は円安による為替益で利益を伸ばしているが、本業の収益力は為替変動に左右されやすいと指摘した。
トヨタ vs パナソニック:利益構造の違い
番組内では、トヨタとパナソニックの業績比較が行われた。トヨタは2026年3月期、営業利益が前期比で減少する見通し。山本氏は「トヨタの利益の多くは円安によるもので、為替が円高に振れると利益が大きく減るリスクがある」と解説。一方、パナソニックは売上高が減少しているものの、営業利益率は上昇傾向にあり、本業の収益力が強化されているという。具体的な数字として、トヨタの為替感応度は1円の円安で営業利益が約450億円増加するが、円高時にはその逆が起こると説明した。
ホンダの真の稼ぎ頭はクルマじゃない?
さらに、ホンダ(7267)の収益構造にも注目。山本氏は四季報のセグメント情報を基に、ホンダの最大の利益源は自動車事業ではなく、二輪車事業や金融事業である可能性を指摘。「ホンダは二輪車で世界シェアトップ級であり、利益率も高い。自動車事業は競争が激しく、必ずしも稼ぎ頭ではない」と述べた。このように、有名企業であっても四季報の詳細なデータを分析することで、意外な「真の稼ぎ頭」が見えてくると強調した。
四季報で「儲かる会社」を見極める3つのポイント
山本氏は、投資対象として「いい会社」を見極めるための3つのポイントを提示した。第一に、営業利益率が業界平均より高いこと。第二に、売上高が減少しても利益が維持・拡大できる「減収増益」の体質を持っていること。第三に、為替や原材料価格などの外部要因に依存しない本業の収益力があること。これらの条件を満たす企業は、景気変動に強く、長期的な投資に適しているという。
編集後記:プロの視点を学ぶ
今回の授業は、個人投資家にとって非常に実践的な内容となった。山本氏は「四季報は単なるデータブックではなく、企業の本質を見抜くためのツール」と語り、定期的なチェックの重要性を説いた。動画内で紹介されたテクニックは、初心者から上級者まで幅広く活用できる。なお、動画内のデータは2026年6月24日時点のものであり、投資判断は自己責任で行うよう注意喚起がなされている。



