名古屋駅から電車で約30分、桶狭間の古戦場近くに本社を構えるホシザキ。敷地内には工場や研究所に加え、城まである。同社は業務用製氷機で国内シェア約6割、業務用冷蔵庫で約5割を占める厨房機器のトップメーカーだ。
創業から現在まで:ミシン部品から厨房機器の巨人へ
1947年、ブラザー工業に勤めていた坂本薫俊氏が独立し星崎電機を設立。当初はミシン部品や編機ケースを製造していた。1957年、米国視察でインスピレーションを得て国内初のジュース自動販売機を開発。その後、製氷機を1965年に発売し、翌年にはペンギンをデザインしたマークが誕生した。
1970年代には業務用冷蔵庫を発売し、外食産業の発展とともに成長。島根に工場を建設し生産力を強化。競合のフクシマガリレイ(現ガリレイ)や三洋電機(パナソニック子会社)を抑え、トップメーカーに躍り出た。
強固なサービス体制が競争力の源泉
全国に15の販売子会社と約430の営業拠点を展開。約2700人のサービス要員が年2回顧客を訪問し機器点検を行い、不具合があれば即座に駆けつける。小林靖浩社長は「営業要員は厨房に入れないが、サービス要員は入れる。そこで相談を受けることもある」と語る。
海外展開と不正会計、コロナ禍を乗り越え最高益
国内市場の成熟化を受け、2006年からM&Aによる海外事業拡大を開始。米国、インド、トルコなどの企業を買収し、売上の5割以上を海外で稼ぐ。2008年に上場し順調に業績を伸ばすも、2018年10月に不正会計が発覚。さらにコロナ禍で外食産業が打撃を受け、売上は一時減少した。
しかし、その後は立て直しに成功し、2025年12月期には売上高4000億円、営業利益400億円と過去最高益を達成。小林社長は「危機を乗り越え、さらなる成長を目指す」とコメントしている。
新たな課題:人口減少と海外競争激化
国内市場は人口減少で縮小が続く。海外では中国や韓国のメーカーが台頭し、競争が激化。ホシザキはM&Aによる規模拡大と、サービス体制の強化で差別化を図る方針だ。また、省エネ性能やIoT対応など、技術革新も求められている。
同社は今後、アジアや北米でのシェア拡大を狙い、2028年までに売上高5000億円を目標に掲げる。小林社長は「サービスネットワークをグローバルに拡大し、顧客満足度を高める」と意気込む。



