外国人に買い占められる日本の空き家:6000万円の古民家から廃旅館まで、宝の山と化す地方物件
外国人に買い占められる日本の空き家:6000万円の古民家から廃旅館まで

訪日外国人が4000万人を突破し、東京や大阪、京都といった定番観光地から地方都市へと関心がシフトするなか、日本の空き家が外国人投資家の間で「宝の山」と化している。オーストラリア人が6000万円で古民家を購入する一方、中国人が廃旅館を買い上げて自国観光客向けに再生する動きが活発化。しかし、事業が行き詰まると放置され、廃墟化するケースも相次ぎ、地元自治体を悩ませている。

地方の宿泊施設不足を外国人投資家が解決

地方都市には外国人観光客に対応できる宿泊施設が少なく、せっかくの地方体験を断念せざるを得ないケースが多かった。このギャップに目をつけたのが外国人投資家だ。栃木県の日光や中禅寺湖などの温泉地では、経営破綻した旅館を中国人が買い上げ、自国の観光客向けに再生する事例が増加。しかし、事業がうまくいかなくなるとそのまま放置され、建物が危険な状態になっても外国人所有ゆえに連絡がつかず、地元は対応に苦慮している。

「ワイドショーなどでネガティブに報じられることも多いですが、最近は様相が変わってきました」と、不動産事業プロデューサーの牧野知弘氏は指摘する。スキー場を例に挙げれば、かつて若者で賑わったスキー場は日本人スキーヤーの減少で衰退したが、代わってオーストラリアやニュージーランド、カナダ、アメリカからのスキーヤーが押し寄せるようになった。北海道のニセコや長野県の白馬では、外国人スキーヤーが長期滞在するため、旅館や民宿のスタイルが合わず、閉館が相次いでいる。

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廃旅館・民宿を買い取り、外国人向けに改装

こうした状況に目をつけた外国人事業家は、閉鎖した旅館や民宿を安く買い取り、内部を改装して外国人スキーヤー向けの宿泊施設として提供するビジネスを展開している。旅館はホテルに改装し、新たなホテルブランドを導入。民宿は民泊形態をとり、基本的に食事は提供せず宿泊のみで対応する。オーストラリア人投資家は古民家を6000万円で購入し、別荘として転売するケースも報告されている。

「民宿経営者の中には高齢化で建物を売却すると住む場所がなくなる人もいます。そうした場合、そのまま居住してもらい、リネン交換や朝食の軽食提供を依頼する事例もあります。何事にも柔軟に対処している様がうかがえます」と牧野氏は説明する。

外国人向け別荘は数億円で販売されるケースも

この流れはさらに加速しており、外国人向けの別荘が数億円で販売されるケースも出ている。地方の空き家や廃旅館は、外国人にとっては低コストで取得できる魅力的な投資対象となっている。一方で、放置された物件が地域の景観や安全面で問題を引き起こすリスクもあり、自治体は外国人所有者との連絡手段を確保するなど、新たな対策が求められている。

訪日外国人観光客の地方分散化が進むなか、空き家問題の解決と地域活性化の両立が課題となる。外国人投資家の積極的な参入は、地方経済に新たな息吹をもたらす可能性がある一方、無秩序な開発や放置を防ぐためのルール整備が急務だ。

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