日本の空き家が外国人投資家の間で「宝の山」と化している。オーストラリア人が古民家を約6000万円で購入する事例や、中国人投資家が廃旅館を買収して民泊に転用するケースが相次いでいる。不動産事業プロデューサーの牧野知弘氏は、こうした動きが日本の不動産市場に大きな影響を与えていると指摘する。
外国人による空き家・廃旅館の買収が加速
牧野氏によれば、外国人投資家は使われなくなった別荘や廃旅館にも目をつけ、これらを買収して民泊などに活用している。特に北海道ニセコでは、買収した別荘を建て替えて中国人などに高額で販売する付加価値ビジネスが盛んに行われている。数年前、牧野氏が出張で訪れた際には、外国人向け別荘が1棟1億円から数億円もの価格で取引されており、その高騰ぶりに驚かされたという。
ニセコの土地はシンガポール投資家が買い占め
ニセコは1960年代から1970年代にかけて西武グループや東急グループが開発したスキーリゾートだが、日本のスキーブーム衰退とともに経営が悪化。外資系資本に廉価で売却されていった。現在、それらのホテルは外資系資本によってラグジュアリーホテルブランドに生まれ変わり、高額な宿泊料で運営されている。牧野氏は「日本人として忸怩たる気持ちにさせられる」と述べている。
牧野氏がニセコの花園ゲレンデ近くの開発用地取得を検討するために現地を訪れた際、花園エリアの土地の多くがすでにシンガポールの投資家に買い占められているという衝撃的な事実を知った。花園エリアはニセコスキーリゾートでは最もはずれのエリアで、かつては土地代も安かったが、北海道新幹線の新駅開業予定地の目の前という立地から不動産価格が高騰。牧野氏の手が届かない金額に膨れ上がっていた。
円安が外国人投資を後押し
円安の進行により、日本の不動産は外国人投資家にとって「バーゲンセール」状態となっている。中国人の「爆買い」は炊飯器から不動産へとシフトしており、在留中国人90万人がその需要を支えている。牧野氏は「つくづく外国人にやられまくる日本の状況に臍を噛む」と嘆く。
このような外国人による不動産買い占めは、地方の空き家問題解決に一役買う一方で、地元住民の住宅取得を困難にする副作用も指摘されている。今後の対策が求められる。



