2026年上半期(1~6月)の飲食料品卸売業における倒産が133件に達し、コロナ禍前の水準と同程度で高止まりしていることが、帝国データバンクの調査で明らかになった。負債総額は258億6200万円に上り、前年同期(約185億5600万円)から約4割増加した。
倒産件数は3年連続で250件超えの見通し
倒産件数は前年同期比で7件(5.6%)増加。年換算では266件となり、2024年以降はコロナ禍前と同水準で推移している。年間では3年連続で250件を超える可能性がある。
規模別では、負債5000万円未満の小規模倒産が59件(構成比44.4%)、資本金1000万円未満が62件(同46.6%)発生。負債5億円以上の倒産は16件と前年同期(10件)から増加し、負債総額を押し上げた。
業種別では「生鮮魚介卸」が最多、気候変動や海外需要が影響
業種別で最も多かったのは「生鮮魚介卸」で37件(前年同期27件)。2025年下半期と並び、過去10年で最多となった。背景には、気候変動による漁獲量の減少や海外での魚介類需要拡大による魚価上昇がある一方、国内需要の低迷で販売価格への転嫁が進んでいないことが挙げられる。
「食肉卸」は13件(前年同期も13件)。高価な牛肉から安価な豚肉・鶏肉への需要シフトに加え、アフリカ豚熱や鳥インフルエンザによる供給問題も抱える。「青果卸」は21件(同25件)で、天候不順による相場の変動が大きく、倒産件数は前年同期と同水準だった。
価格転嫁の難しさが経営を圧迫
販売価格がある程度決まっている「食品・飲料品卸」に比べ、商品相場の変動がある「農畜産・水産物卸」は価格転嫁が難しい構造にある。「食品・飲料品卸」の中でも、特売品などに使われる日配品を扱う企業は、ギフト商材や高額商材に比べて転嫁が進まず、事業環境が悪化するケースが多い。
帝国データバンクは「消費者が節約志向で安価な商材へのシフトや買い控えが起き、販売価格への転嫁が抑えられることで利益が減少するケースが見られる。その動きが倒産件数を押し上げている」と分析した。
調査は、負債1000万円以上かつ法的整理による倒産を対象に、2007年1月1日~2026年6月30日の期間で実施された。



