高知龍馬空港(高知県南国市)に来年3月末、初めての国際定期便が就航する。これまで台湾・台北桃園空港との間で運航していたのは旅行会社などによる定期チャーター便で、定期便に「昇格」する格好だ。県は新ターミナルビルを来年4月に全面供用する予定で、台湾との交流拡大に期待が高まっている。
利用者は5万8000人以上
3連休初日の10日昼、台湾からの航空機が高知空港に到着し、大きな荷物を抱えた観光客が待ち受けたバスに乗り込んだ。高知市の県立牧野植物園や桂浜などを訪れることが多いという。県によると、今年8月までの台北発高知着の利用者は5万8000人以上に上り、県国際観光課の担当者は「各地を周遊してもらうことで、県内への経済波及効果は大きくなる」と話す。
こうした中、県は1日、定期チャーター便として就航してきた台湾の格安航空会社(LCC)「タイガーエア台湾」が、来年3月28日に始まる夏ダイヤから定期便を運航すると発表した。水・土曜の週2回の往復で、発着時間は台北発が午前8時20分、高知着が正午、高知発が午後2時、台北着が午後3時20分(いずれも現地時間)となる。チケットは同社ウェブサイトで購入できる。
空港整備に約40億円
台湾との直行便は2023年5月、タイガーエア台湾が定期チャーター便として運航を始めた。エアバスA320型機(180席)を使用しており、県によると、平均搭乗率は93%と好調だ。
定期チャーター便は当初、台湾の旅行会社がツアー客向けに全席を販売していた。23年秋から一般客への売り出しも始め、今月末から始まる冬ダイヤでは、1便あたり52席に拡大する。
県は国際便利用客の受け入れ準備を進めており、約40億円を投じて新ターミナルビルを建設中だ。事業費は19億4800万円を見込んでいたが、出入国手続きを行うためのスペース確保などを求める航空会社からの意見を踏まえ、24年に計画案を変更。36億5400万円に膨らんだ。
さらに中東情勢による資材高騰の影響で、県は工事費2億9600万円を増額するための補正予算案を9月議会に提出している。
県は今秋にも新ターミナルビルの一部供用を目指していたが、配管や配線などの地下埋設物があることが判明。追加工事が必要となり、来年1月に入国エリアの使用を開始し、同4月に出国手続きエリアを含め全面供用を始める方針だ。
台中で高知物産展
高知空港は1944年に建設された旧海軍航空基地がルーツだ。長年の悲願だった国際定期便の就航への期待は高まっている。
高知市は11月、台湾・台中市で初めて「高知物産展」を開催する。桑名龍吾市長は10月2日の記者会見で「台湾の人に魅力を知ってもらい、高知に来てもらえるようにしたい」と経済交流に意欲を示した。
県国際観光課の担当者は「県民にも台湾に行ってほしい。台湾と高知の交流が広がることで、路線の維持につながる」と強調した。