EU、アップルに総額1600億円の追徴課税 アイルランド税制優遇で
EU、アップルに総額1600億円の追徴課税

欧州連合(EU)の司法機関である欧州司法裁判所(ECJ)は10日、アイルランド政府が米アップルに提供した税制優遇措置はEU法違反の国家補助に当たるとして、アップルに対し総額約130億ユーロ(約1兆6000億円)の追徴課税を命じる判決を下した。この判決は、EUの競争政策を担当するマルグレーテ・ベステアー欧州委員(競争政策担当)が2016年に下した決定を支持する内容で、アップルとアイルランド政府の双方が控訴していた。

EU競争法に基づく判断

ベステアー欧州委員は2016年8月、アイルランドがアップルに対して、他の企業には認めていない極めて低い税率を適用したことは、EUの競争法で禁じられた国家補助に当たると結論づけていた。アップルはアイルランドに欧州本部を置き、同国で巨額の利益を計上していたが、実際に支払った税率は2014年には0.005%と極めて低かった。ECJはこの優遇措置が、EU域内の競争を歪めるものだと判断した。

アップルとアイルランドの主張

アップルは「我々は常にアイルランドで事業を展開しており、法律に従って税金を支払ってきた。この判決は事実を無視している」と声明を発表し、失望を表明した。一方、アイルランド政府も「我々はアップルに特別な扱いをしたことはない。この判決は我々の税制政策の正当性を否定するものであり、遺憾だ」と述べている。

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EUの税制優遇規制の強化

この判決は、EUが多国籍企業による税逃れ対策を強化する中で下された。EUは近年、スターバックスやフィアット・クライスラーなど、各国政府と個別に有利な税制を取り決めた多国籍企業に対し、追徴課税を命じるケースを増やしている。今回のECJの判断は、国家補助規制を適用したEUの姿勢を支持するもので、他の加盟国や企業にも影響を与える可能性がある。

今後の影響

アップルは今回の判決を不服として、さらに上級審であるEU司法裁判所に上訴する可能性がある。しかし、専門家は「今回の判決は、EUの国家補助規制の適用範囲を広げる先例となる」と指摘する。また、アイルランド政府にとっても、自国の税制優遇政策の見直しを迫られる可能性がある。

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