水戸市、50年守った県内人口首位から転落…駅前一等地は駐車場に
水戸市、50年守った県内人口首位から転落…駅前一等地は駐車場に

2025年の国勢調査速報で、茨城県の人口地図が塗り替わった。つくば市26万8991人に対し、水戸市は26万5773人。その差は3218人。水戸は1975年の調査以来、50年間守り続けてきた県内人口首位の座を、ついに明け渡した。2020年からの5年間で人口は4912人減少し、つくば市が増加を続ける一方、水戸は緩やかな減少が続いている。

駅を出るとまず目に入るのは駐車場

水戸駅北口のペデストリアンデッキから地上へ降りると、最初に目に飛び込んでくるのは店の看板ではなく「P」の文字だった。北口から100メートル以内に、独立した時間貸し駐車場が少なくとも5カ所ある。十数台規模の平面駐車場が点々と並び、通りの間口を細かく分断している。路面店が連続するはずの県都の駅前としては、少し意外な風景である。

なかでも目を引くのが、大きな青空駐車場になった一角だ。ここにはかつて、サントピアが建っていた。1978年5月に開業した、渋谷パルコに次ぐ「日本で2番目のファッションビル」と謳われた施設である。2007年5月の閉館後、建物は9年間にわたって残され、2016年にようやく解体された。それから約10年が過ぎたいまも、跡地は駐車場のままである。

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駐車場は失敗ではなく、都市構造の変化の表れ

もちろん、駐車場が多いこと自体は水戸の失敗ではない。百貨店全盛期から駐車場不足は中心市街地の課題であり、市は駐車場整備計画や駐車場事業経営戦略を策定し、長年にわたって整備を進めてきた。車で訪れやすい街になったこと自体は、行政が積み重ねてきた成果でもある。

問題は、その先だった。水戸市は中心市街地活性化の資料で、「モータリゼーションの進展や郊外への大型商業施設の進出等により、徐々に求心力が低下した」と分析している。車社会への対応が進むにつれ、人々は車で目的地へ向かい、用事を済ませるとそのまま帰るようになった。店から店へ歩く回遊は次第に薄れ、中心街は「歩く街」から「車で目的地へ向かう街」へと姿を変えていった。

駅前に並ぶ「P」の看板は、衰退の象徴というより、水戸という街が歩んできた都市構造の変化を映し出している。

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