米製薬大手イーライリリーの2026年4〜6月期売上高は前年同期比48%増と、巨大製薬としては異例の伸びを記録した。減量薬ブームの踊り場説を覆す結果で、肥満症治療が一部の人向けから「当たり前の医療」へと変わる市場の次の段階を示す。
米政府との新枠組みで高齢者2000万人に門戸
象徴的なのは、7月に始まった米政府との新たな枠組みだ。これまで肥満症薬を原則カバーしてこなかった公的高齢者保険が扉を開き、約2000万人が月50ドルの自己負担で治療を受けられるようになった。デイビッド・リックス会長兼CEOはこれを「重要な節目」と位置づけている。
牽引役は糖尿病・肥満症向け注射剤の2本柱。一方、鳴り物入りで発売した「飲む薬」の立ち上がりを巡っては、アナリストの懐疑と経営陣の反論が正面からぶつかった。
巨大な市場の空白を巡る攻防
肥満症の治療を受けている人は、なお対象となりうる人のごく一部にすぎない──経営陣はそう繰り返した。この巨大な空白を誰が、何によって埋めていくのか。価格なのか、飲み薬なのか、それとも次の世代の薬なのか。決算説明会でアナリストが次々に突いたのも、まさにその一点だった。
本連載「Strainer Report」はわかりやすい図表に定評のあるストレイナーの決算分析記事のうち、海外企業に関するレポートを掲載している。



