電通と宇宙航空研究開発機構(JAXA)、嬬恋村農業協同組合(JA嬬恋村・群馬県)は24日、人工衛星データを基にキャベツの出荷量や価格を予測して販売する実証を開始した。衛星が撮影した画像データから生育状況を把握し、広告や販促も連動させることで、出荷量が増加する時期に需要を喚起し、販売増につなげる。
光学衛星とレーダー衛星を組み合わせて生育把握
生育状況の把握には、光学衛星と天候の影響を受けないレーダー衛星の画像を組み合わせる。光学画像で色などからキャベツの大きさを判別する一方、雲などで地上が見えない場合はレーダー画像で補完する。嬬恋村は生産や出荷に関するデータを提供し、過去の実績などから算出した価格予測を合わせて、最適な出荷時期を見定める。
広告・販促を柔軟に運用し売れ残りを減らす
小売店は供給が需要を上回る場合に広告を積極化して、売れ残りを減らす。供給量が減少する時期にはほかの商品の販促にシフトするなど、宣伝費用を柔軟に運用できるようになる。味の素も協力し、中華の合わせ調味料「クック ドゥ」のテレビやSNSでの広告出稿を連動させる。
天候で価格が乱高下しやすい露地栽培キャベツ
露地栽培のキャベツは、生育状況が天候によって価格が乱高下する。農林水産省が野菜生産出荷安定法に基づく指定野菜の一つで、産地は不足しないように余裕をもって生産する傾向にあるため、豊作になると値崩れしやすいという。今回の取り組みは首都圏と関西の量販店約50店舗で実施する。他産地やほかの野菜への展開なども視野に入れる。JA嬬恋村の黒岩宗久組合長は「嬬恋村は夏の間のシェアが70%を超える。より安定的に供給できるようになる」と話した。



