出前館の2025年8月期の貸借対照表(B/S)は、総資産388億円のうち99%が流動資産で、現金及び預金は285億円(全体の74%)を占める。流動負債は100億円で、うち97億円が未払い金(配達員への未払いとみられる)。流動比率は約400%、有利子負債はなく無借金経営。純資産は総資産の74%で、自己資本比率も74%と、B/S上は健全だ。
キャッシュは潤沢だが構造的問題
キャッシュフロー計算書(C/S)でも、キャッシュ残高は複数年分確保できている。しかし、ビジネスモデルの構造上、原価率が高くなりすぎて利益が出にくい。この状況は、メルカリやfreeeのように赤字を掘った後に黒字化するケースとは異なる。
短期的安全もジリ貧リスク
親会社LINEヤフーの支援と潤沢なキャッシュにより、短期的に事業が立ち行かなくなることはない。だが、現在の配達中心のビジネスモデルにテコ入れをしなければ、ジリ貧になる恐れがある。コロナ禍の環境変化で成長した赤字企業でも、その後必ずしもうまくいくとは限らないことが、損益計算書(P/L)の構造からわかる。



