赤字であっても高い成長率を維持していれば、将来性を評価され投資を受ける企業がある。しかし、赤字が致命傷になる企業との違いはどこにあるのか。本稿では、メルカリ、freee、出前館を事例に、赤字企業の成長を分析する。
出前館の「ジリ貧」の理由
赤字で成長しながらも黒字化へのロードマップが描きにくい企業として、出前館が挙げられる。出前館の売上高と営業利益を時系列で見ると、2019年8月期の売上高は67億円だったが、翌年には103億円と1.5倍に増加。さらに3年で売上高が5倍近くまで増えた。同時に赤字幅も拡大したが、直近では縮小している。
損益計算書だけを見ると、メルカリやfreeeのように赤字を掘りながら成長しているように見えるが、決定的に異なる点がある。それが原価率である。
原価率の違い
出前館の原価率は高く、これが黒字化への道筋を難しくしている。一方、メルカリやfreeeは原価率が低く、成長に伴い固定費の比率が下がることで黒字化が可能となる。出前館はビジネスモデル上、原価を下げるのが難しく、ジリ貧状態に陥るリスクがある。
財務諸表からは、企業の安全性の本質が見えてくる。単なる赤字の有無ではなく、原価構造やキャッシュフローを分析することが重要である。



