銀行が最高益でも「資金不足」に直面、安定調達比率悪化で貸出抑制へ
銀行が最高益でも資金不足、安定調達比率悪化で貸出抑制

日本銀行の利上げが進む中、メガバンク3行はいずれも最高益を更新し、純利益合計は5兆円を超えるなど好調に見える。しかし、その裏で銀行各社からは「資金が足りない」という意外な声が上がっている。

異例の「貸出減らす」宣言

三井住友フィナンシャルグループ(FG)の中島達社長は、2026年5月の決算説明会で「貸出については今後『選別的』にやらざるを得ない。海外においては、貸出を若干減らす計画だ」と述べた。背景には預金の伸び鈍化があり、「預金の伸びがスローダウンしてきており、預貸(預金と貸出金)のバランスに非常に気を使わなければならない時期に来ている」と説明した。

安定調達比率(NSFR)の悪化懸念

預金調達の難易度が増す中で、各行が意識し始めているのが「安定調達比率(NSFR)」と呼ばれる指標だ。これは、銀行が保有する売却が難しい長期資産に対して、中長期にわたる安定的な資金調達ができているかを示す健全性の指標である。バーゼル規制では、「利用可能な安定調達額」を分子、「所要安定調達額」を分母とし、100%以上を維持することが求められる。仮に100%を下回れば当局への報告が求められ、必要に応じて業務改善命令が発出される。

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大手行だけでなく地銀も調達多角化

大手行だけでなく地方銀行も、預金獲得競争が激化する中で、債券発行や預金商品の見直しなど、あらゆる手段で資金調達の多角化を進めている。預金の伸び悩みは、低金利時代の長期化や個人の資産運用志向の高まりが背景にあるとみられる。

銀行業界は表面的な好調とは裏腹に、財務健全性の新たな課題に直面している。今後の貸出姿勢や資金調達戦略が、企業や個人の資金調達環境に影響を与える可能性がある。

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