クレジットカード決済代行サービス会社「全東信」(大阪市)が7月6日に自己破産を申請し、負債総額1151億6491万円という今年最大規模の倒産となった。東京商工リサーチ(TSR)の調査で、融資を行っていた銀行や信用金庫、信用組合など63の金融債権者の名称が明らかになった。債権額トップは近畿産業信用組合で約220億円と突出している。
負債総額1151億円、20年前からの粉飾が発覚
全東信は全国の飲食店を中心に約20万の加盟店を持つ決済代行大手だった。TSRによると、7月7日時点で債権者は115者に上る。同社は少なくとも20年前から粉飾決算を行っており、預金残高の水増し(約170億円)、架空債権の計上(約154億円)、実質無価値な営業権の過大計上(約88億2000万円)などの手口が判明。加盟店に対する未払立替精算金(約217億円)も未計上だった。2026年3月期の純資産は約24億8000万円とされていたが、粉飾を是正すれば実質的には約605億円の債務超過となる見込みだ。
主な金融債権者と被害規模
金融債権者は63者に上り、債権額10億円以上のリストがTSRによって公表された。2位以下も数十億円規模の債権が並ぶ。東和銀行(群馬県)は引当処理により損失を出すと7月7日に発表し、債権額で3位。三十三銀行(三重県)は10位に入っている。銀座のバーオーナーは「クレジットカード利用の売り上げが入金されないかもしれない。このままいくと潰れてしまう」と危機感を募らせており、加盟店への影響は広がっている。
今後の展開と影響
全東信の破産は、夜の街を中心とした飲食店経営に深刻な打撃を与えている。金融機関は巨額の貸し倒れリスクに直面し、債権回収は困難が予想される。TSRは引き続き詳細な調査を進めており、新たな債権者や粉飾の全容が明らかになる可能性がある。



