ANA HD芝田社長独占インタビュー:貨物・国際線で年5000億円投資、成長戦略を語る
ANA HD芝田社長独占:年5000億円投資で成長へ

ANAホールディングスの芝田浩二社長は、東洋経済の独占インタビューで、年5000億円を超える設備投資や貨物事業の拡大、国内線システム混乱の収束見通しなど、今後の成長戦略について詳細を語った。2025年の日本貨物航空(NCA)買収により規模を拡大し、2026年3月期には売上高、営業利益、純利益とも過去最高を達成。一方で、マイレージサービス変更やシステム更新に伴う利用者の不満にも言及した。

年5000億円投資で成長軌道へ

芝田社長は、新しい中期経営計画について「2030年のさらなる高みに向けて」という副題を掲げ、本格的な成長・拡大フェーズに入ったと説明。コロナ前の年間3000~3500億円から、今回の新中計では年間5000億円超の設備投資を計画している。コロナ期間中は平均1400億円未満に抑制していたが、23年度からの前中計で倍増させ、今回さらに拡大する。

投資領域については、「国内線事業をベースラインとして固めながら、成長領域の国際線と貨物事業に経営資源を注ぐ」と述べた。DX投資や人的資本とのバランスを考慮しつつ、規模拡大を図る方針だ。

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貨物事業を国内線に匹敵する規模に

芝田社長は、貨物事業を国内線と同等の規模に成長させる目標を示した。2025年のNCA買収により、貨物事業の強化が進んでいる。また、国際線については、成田空港を東アジアのハブとして位置づけ、さらなる需要開拓を目指す。

「私が入社した1982年当時、売上は約4200億円、従業員は1万人程度でしたが、今はそれぞれ5倍の規模になっています。アメリカのユナイテッド航空やドイツのルフトハンザ航空など欧米グローバルキャリアの事業規模を見据えれば、ANAにも伸びしろは間違いなくあります」と語った。

国内線システム移行の混乱はもうすぐ落ち着く

国内線のシステム更新に伴う混乱について、芝田社長は「厳しいお叱りはしっかり受け止める」と述べた上で、「混乱は徐々に落ち着いてきている。もうすぐ収束する見通しだ」と説明。システム移行による影響は限定的で、利用者の不満は改善されつつあると強調した。

オーバーブッキングはルールにのっとって行っている

オーバーブッキング(過剰予約)の慣行について、芝田社長は「ルールにのっとって適切に行っている」と説明。顧客への影響を最小限に抑えるための措置を講じていると述べた。また、「お客様へのリスペクトは絶やさない」とし、サービス品質の維持・向上に努める姿勢を示した。

リスク耐性と財務基盤

中東情勢による燃油高など地政学的リスクについては、財務体質の強化が進んでいると説明。自己資本比率はコロナ前の40%超から一時25%まで低下したが、現在は37%まで回復。手元流動性は1兆円を超え、「コロナ前に比べ強靭な対応能力がついた。万が一の事態があれば、延ばせる投資を先送りにするなどの機動的対応で乗り切れる」と自信を示した。

ANAホールディングスは、2026年3月期に過去最高の業績を達成。今回の中期経営計画では、さらなる成長を見据えた積極投資と、財務健全性のバランスを重視している。

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