「『若い女性向けのお菓子を新商品として開発したいから、若者目線での意見を聞かせてほしい』という依頼でした。当時は就活にも身が入っていなかったですし、フレキャンやミス青山での経験が生かせるならと思って、お引き受けしたんです」
こう語るのは、マーケティングで窮地の企業や自治体を救ってきた中山柚希さん(33)。女子大生を率い、「広告電通賞」を受賞した新規事業「キャンパスラボ」を手がける。
菓子メーカーの依頼が人生の転機に
実際の現場では、中山さんのほかに大学生が数名参加し、新商品に向けた意見の出し合いを実施。最終的には中山さんらの意見が反映されたお菓子が発売された。
この経験を経て、中山さんの中にはある思いが芽生えた。
「商品を企画して、開発・販売までのプロセスを見させていただいたなかで、『マーケティングの仕事ってすごく面白いな』と思ったんです。それまでは『就活するならメディア業界一本』って考えだったんですが、マーケティング職にも興味が出て、『就活頑張ってみようかな』って思うようになりました」
ミスコンでの挫折を完全に忘れられたわけではない。ただ、目の前に差した一筋の光が、中山さんの気持ちを奮い立たせた。
就活を経て「キャンパスラボ」を立ち上げ
中山さんはマーケティング職やマーケティング系の会社を中心に本格的に就活をスタート。何社か受けていく中で現在の会社の選考にも参加し、見事内定を獲得した。
入社後、新規事業として若年層マーケティング事業「キャンパスラボ」をスタート。各大学のインフルエンサーであるメンバーを集め、ともに大学生の動向やインサイトを研究し、アイデアを創出。企業とともに商品開発を実施したり、自治体との共創による地域おこしを行ったりと、企業や自治体向けに若年層に特化したマーケティング・プロモーション支援を行っている。
大学時代に行っていた活動を企業という枠組みで実施するようになったことで、大手企業や行政などと取引ができるようになり、活動の幅も大きく広がった。
プロデューサーとしての「壁」
事業自体は年々成長していったが、同時にビジネスの第一線でプロデューサーを務めるからこその「壁」にも直面した。
「よく『大学生をマネジメントするのは大変じゃない?』と聞かれるんですが、学生のマネジメントに苦労したことはあまりないんです。それよりも、マーケティングにおける『絶対的な正解』がないことへの苦労や難しさのほうが、圧倒的に大きいですね」



