全国に3000人の会員を持つ一般社団法人おせっかい協会の代表で、PR会社「サニーサイドアップ」創業者でもある高橋恵さん(84)。今年発売した著書『84歳、「ま、いいか」で人生うまくいく』は発売ひと月たらずで重版となった。「後期高齢者」ではなく「光輝高齢者」を目指すという高橋さんの活動の原点には、子ども時代の原体験がある。
見知らぬ人に命を救われた子ども時代
高橋さんは1942年に三姉妹の次女として生まれた。父は高橋さんが3歳のころに戦死。母は26歳の若さで女手ひとつで子どもたちを育てることになった。
敗戦後、「これからの教育は東京だ」という母の考えで、鹿児島から一家で東京へと移り住む。母はさまざまな商売を始めたものの、事業は思うようにいかず、家計は困窮。「すべてを質屋に持っていかなければならないときもありました」と高橋さんは振り返る。
「みんなでお父さんのところに行こうか」と追い詰められた日
苦しい日々のなかで、母は死を考えるまでに追い詰められたことがあったという。そんな母に「みんなでお父さんのところに行こうか」と声をかけたのは、幼い高橋さんだった。
高橋さんは「私もたくさんの人のお節介によっていろいろなことが広がったんです。だから、恩送りじゃないけれど、誰かを幸せにするお節介を広めていきたいと思ったの」と語る。その思いから70代でおせっかい協会を立ち上げ、「愛のあるおせっかい」の必要性を説いてきた。
「ようこそ~。どうぞお上がりください」
都内某所のマンションで、扉を開けた高橋さんは満面の笑みで訪問者を迎える。会員からは〝恵さん〟と親しまれ、その活動の輪は全国に広がっている。
高橋さんは「天知る、地知る、我知る」の精神で、すぐに動いて言葉をかけることの大切さを説く。お節介を通じて、社会が笑顔でいっぱいになることを願っているという。



