東京23区で家賃最安級の一之江、月5万円台で住める「東京の田舎」の実態
東京23区で家賃最安級の一之江、月5万円台で住める実態

今回の連載では、一般的な「住みたい街ランキング」には登場しないけれど、住み心地は抜群と思われる街をターゲットに定め、実際に歩き、住む人の声と各種データを集めてリポートする。定番の「住みたい街」にはない「住むと、ちょっといい街」の魅力を掘り起こしていく。

今回歩いたのは、東京23区でトップクラスに家賃が安いとウワサされる江戸川区一之江だ。いい意味で予想を裏切る街だった。

東京都内に月5万円で住めてしまう

都営地下鉄新宿線「一之江駅(東京都江戸川区一之江8-14-1)」のA3出口から、北西の方向にしばらく歩くと、「一之江境川親水公園」の看板が見えてくる。助走をつければ飛び越えることができそうなくらいのせせらぎに沿って整備された公園だ。約3.2kmほども続く。

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今回は都営地下鉄新宿線の一之江駅周辺を歩く(写真:筆者撮影)

東京23区内における家賃の安さランキングで、一之江周辺はほぼトップらしい。友人からそんなウワサを聞きつけ、俄然興味がわいた。地元を愛する方々には失礼だが、そもそも一之江という地名をこれまで聞いたことがなかった。それも興味がわいた理由のひとつだ。

年をとると、新しいことが億劫になる。「知っていること」だけで済ませようとする。そんな毎日だが、たまに知らないことに挑戦すると、やっぱり新鮮な気分になる。そういうこともあるので、知らない街を訪ねるのは大好きだ。

ともあれ、この街を訪ねた最大の理由は「家賃が安い」というウワサの検証だ。そもそも江戸川区自体、比較的家賃が安い。川を越えればすぐに千葉県という土地柄は「東京の田舎」といった印象がある。

大手町まで25分の立地

一之江駅から都営新宿線で大手町までは約25分。乗り換えなしでアクセスできるため、都心への通勤にも便利だ。しかし、駅周辺にはタワーマンションがほとんど見当たらない。その理由は、地元の大地主が土地を手放さず、大規模開発が進まなかったからだという。

家賃が安い理由の一つは、この開発の遅れにある。新築物件が少なく、既存の賃貸物件も築年数が経過しているため、家賃が抑えられている。また、駅から少し離れると、一戸建てや低層アパートが多く、のどかな雰囲気が広がる。

甘栗屋がこの街を選んだ理由

駅前の商店街には、昔ながらの甘栗屋が営業している。店主に話を聞くと、「家賃が安いので、ここで店を開いた。都心だと家賃が高くてとてもやっていけない」と語る。甘栗の味は絶品で、地元の人々に愛されている。

「穴場」的な魅力のある一之江

一之江は、都心へのアクセスが良いにもかかわらず、家賃が安く、静かな住宅街が広がる。タワーマンションが林立するエリアとは異なり、低層の建物が多く、空が広く感じられる。また、親水公園や緑地も多く、子育て世帯にも人気だ。

今回の取材で、一之江は「東京の田舎」というイメージ以上に、住みやすく魅力的な街であることが分かった。家賃の安さだけでなく、地域コミュニティの温かさも感じられる。これからもこの街の魅力を発信していきたい。

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