元フジテレビアナウンサーで1級ファイナンシャル・プランニング技能士の西岡孝洋氏が、自身の体験をもとに都心マンション市場の現実を語った。港区麻布十番の大規模マンションのモデルルームを訪れた西岡氏は、「本当の都心」は超富裕層しか手に入らない時代に突入したと実感したという。
「都心」の定義が変わる
西岡氏はまず「都心」の定義を自ら整理する。一般的には都心3区(港区・千代田区・中央区)を指すが、山手線の内側や東京駅まで20分程度のアクセスも条件となる。しかし、港区港南や中央区勝どき・築地は山手線の外側であり、逆に新宿区の一部は山手線の内側で東京駅へのアクセスも良好だ。江東区湾岸エリアも東京駅から20分圏内という基準を満たす場合がある。西岡氏は「都心とは行政区の名前ではなく、立地そのものの実力で測るべき言葉に変わっていく」と指摘する。
超富裕層向けに絞られた販売戦略
そんな中でも誰もが「都心」と認める港区麻布十番。西岡氏が訪れた大規模マンションでは、買い手のターゲットを完全に「超富裕層」へと絞り込んでいた。70平方メートル以上のファミリータイプ住戸を購入するには、15%の手付金が必要となる。10年前は手付金の交渉が可能だったケースもあり、最近でも10%が一般的だったが、このマンションでは15%に設定されていた。
例えば3億5000万円の部屋を購入する場合、手付金として5000万円を現金で用意しなければならない。さらに、残りの代金を用意できるという証拠(エビデンス)を示さなければ、購入のテーブルにつくことすらできないという。西岡氏は「年収3000万円でも門前払いされる可能性がある」と述べ、都心マンションの残酷な現実を浮き彫りにした。
資産価値という名の幻想
西岡氏は「資産価値」という大義名分のもと、人々が都心マンションに吸い寄せられていると分析する。しかし、実際には購入できるのは一部の超富裕層に限られ、一般的な高所得者でも手が届かない状況だ。この傾向は今後も続くと予想され、都心のマンション市場はますます二極化が進むとみられる。



