日本酒「地理的表示」登録でブランド保護強化、原料表示制度には依然課題
日本酒GI登録でブランド保護強化、原料表示に課題

国税庁は10日、日本酒を国が地域ブランドとして保護する「地理的表示(GI)」に登録したと発表した。日本酒全体のブランド価値向上や海外産との差別化、偽造品対策の強化が期待される。

GI登録の意義と期待

日本酒を巡っては、中国で「西湖」を含む商標が現地企業に登録されるなど、ブランド保護が課題となっていた。今回のGI登録により、国内で栽培・加工された日本酒にはGIマークの表示が認められ、消費者は国産品を識別しやすくなる。

山下雄平国税庁長官は10日のGI登録授与式で「日本酒全体としてブランド力を推進でき、他国産との差別化や偽造品対策の強化につながる」と期待を示した。

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原料原産地表示制度の課題

一方、加工食品の原料原産地表示を定めた現行の原料原産地表示制度では、海外産の酒エキスなどを含んでいても必ずしも表示義務はない。このため、消費者に「国産」の印象を与えるケースがあり、酒業界からは表示制度の改善を求める声が上がっている。

現行制度では、原料の産地表示が義務付けられるのは一部の加工食品に限られ、日本酒に使用されるアルコールや醸造用酒精などは対象外となるケースが多い。これにより、海外産の酒エキスを国内で混合した製品でも「国産」と表示される可能性があり、消費者の誤認を招く恐れがある。

業界の反応と今後の展望

日本酒業界からは、GI登録を歓迎する声が上がる一方、原料表示の厳格化を求める意見も強い。ある酒造メーカーの担当者は「GI登録でブランド価値が向上するのは喜ばしいが、原料表示が不透明では消費者の信頼を得られない。制度の早急な見直しが必要だ」と指摘する。

国税庁は、GI登録を機に日本酒の品質保証とブランド保護をさらに強化する方針だが、原料原産地表示制度の改善については今後の検討課題としている。

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