洗濯家の中村祐一さん(42)は、洗濯機の標準設定を変更するだけで、洗濯の悩みの多くは解消できると説く。そして洗濯は科学的な作業で、男性向きの面があるとも指摘する。
クリーニング店での修業がきっかけ
中村さんはクリーニング店に生まれたが、高校までは「きれいな服が自動で出てくる」という感覚で、洗濯を意識することはなかった。高校卒業後の進路を考える際、代々続く店を閉めることに抵抗があったため、修業のために東京都内のクリーニング店に就職した。
そこで洗濯をやってみて、汚れが落ちたり、しわがきれいになったりするのを見て、洗濯が楽しくなったという。
洗剤は2種類、素材に合わせて選ぶ
洗濯は意外と科学的な作業といわれ、理にかなった方法で洗濯すると、汚れはちゃんと落ちる。具体的にはまず洗剤。数百種類の洗剤が売られているが、大きく分ければ弱アルカリ性のものと中性のものの2種類しかない。この2種類から衣類に合わせて選ぶ必要がある。
基本は弱アルカリ性の洗剤で、日常のものはこれで洗える。しかし、例えばウールのものをこれで洗うと、繊維のタンパク質を傷めてしまうため、中性洗剤で洗う必要がある。洗濯は、このように素材と洗剤の組み合わせを論理的に考えていく作業で、こうした考え方はむしろ男性向きともいえる。
洗濯機の設定変更で黄ばみも解消
服の黄ばみ汚れが落ちないなどの理由で悩んでいる人も多いが、これは洗濯機の標準設定の問題だ。洗濯機は節水と時短を重視しすぎており、設定を適切に変更すれば、漂白剤を使うなど特別なことをしなくても、きれいに落ちる。
設定を変更するときは、まず洗い15分、すすぎ3回、脱水3分にしてみてほしいという。
中村さんは令和4年から他のクリーニング店4店と一緒に洗濯講座を開いており、最近は男性が増えてきた。汚れが落ちてきれいになるとQOL(生活の質)が向上するので、男性も積極的にやってみてほしいと話す。
中村さんは昭和59年、長野県生まれ。令和7年、実家のクリーニング会社「芳洗舎」の3代目社長に就任し、同年、被災地での洗濯支援などを目的にした日本衣生活支援機構を設立した。「洗濯王子」の愛称でも知られる。