元フジテレビアナウンサーで1級ファイナンシャル・プランニング技能士の西岡孝洋氏が、東洋経済オンラインのYouTube番組で、都心マンション市場の異常な高騰と、資産価値に踊らされる人々の実態を赤裸々に語った。番組は「マンションの資産価値が上がるのは都心か、それとも郊外でもいいのか」をテーマに、元TBSの加藤シルビアアナウンサーが司会を務め、対戦相手は元山形テレビアナウンサーで日経CNBCキャスターの佐々木真奈美アナウンサー。西岡氏は「郊外でもOK」派として、佐々木氏の「絶対に都心」派と激論を交わした。
3億超物件に手付金5000万円の異常
西岡氏は、近年の都心マンション市場について「買い手のターゲットを完全に『超富裕層』へと絞り込んだ」と指摘。3億円を超えるような物件では、手付金だけで5000万円以上が必要になるケースが珍しくなく、年収3000万円でも「門前払い」される現実があるという。このような価格高騰は、資産価値という大義名分のもと、人々が都心に吸い寄せられている結果だと分析する。
「家に関して、立てるポジションは2つしかない」と西岡氏。自身もマンションを複数所有していることから、「この人はマンションをたくさん持っているから、しょせんポジショントークにすぎない」と批判されることもあるが、それでもあえて「資産価値のゲームからは撤退すべき時期に来ている」と主張する。
「資産価値」に惑わされ、人は都心へ
西岡氏は、番組内で「私も当然、資産価値が上がる可能性が高いのは都心だと思っている」と認めつつ、その風潮に疑問を呈する。多くの人が資産価値という言葉に惑わされ、無理をしてでも都心のマンションを購入しようとするが、実際には「眼鏡をかけた医師を信じることはできなかった」と、自身の経験から専門家のアドバイスに疑問を感じたエピソードも披露。都心一辺倒の考え方に警鐘を鳴らす。
その背景には、都心のマンション価格が高騰しすぎた結果、購入できる層が極端に限られ、市場そのものが歪んでいる現状がある。西岡氏は「郊外にも成長の余地を十分に残した場所がある」と強調し、資産価値だけでなく、生活の質や将来の成長性を考慮した選択の重要性を説く。
「資産価値」ゲームからの撤退を提言
西岡氏の提言は明確だ。今や都心マンションは、一部の超富裕層だけの「資産価値ゲーム」の場と化しており、一般のサラリーマンや中堅層が参入するにはリスクが大きすぎる。手付金5000万円という数字が象徴するように、購入後の金利負担や維持費、さらには将来の売却益を考えても、都心物件への投資は必ずしも賢明とは言えない。
「誰もが必ずどちらかのポジションに立っている」と西岡氏。資産価値に固執するか、それとも郊外の可能性に目を向けるか。この選択は、単なる投資判断にとどまらず、人生設計そのものに関わる問題だ。番組の後半では、郊外でも交通の便や教育環境が整ったエリアを具体的に挙げ、都心に劣らない資産価値の成長余地があると論じた。
西岡氏の主張は、多くの視聴者に衝撃を与えた。年収3000万円でも都心マンションを購入できないという現実は、日本の不動産市場の歪みを如実に示している。彼は最後に「資産価値という幻想から覚め、本当に自分にとって価値ある住まいを選ぶべきだ」と訴えかけた。



