分譲マンションで、管理を任せる側が任される側も兼ねる動きが広がっている。管理会社が管理組合代表を兼ねることで、区分所有者は役員の負担が減る一方、管理への関心が薄れる副作用が指摘されている。以前は投資用物件が中心だったが、最近は一般のマンションでも増えており、国が導入時の注意を呼びかけている。
投資用マンションで修繕積立金が約3倍に
東京都内の40代女性は4年前、投資用マンションの1室を約3千万円で購入した。ネットで紹介されていた築10年弱の約40平方メートルの物件で、自宅から離れた地域にあり、現地を訪れずに決めたという。夫婦共働きで自宅のローンは払い終えて余裕資金があり、借り手は途切れず家賃が入り続け、将来の転売も考えていた。
しかし、ある時、管理会社からの通知で修繕積立金が約3倍になることを知り、投資の計画が狂う事態となった。管理会社の説明では、はがれそうな外壁タイルが多く、長期修繕計画を見直したところ、今の積立金では不足するというものだった。管理会社は管理組合代表を兼ね、総会の議案を作る立場にもあった。
総会で可決された増額と工事発注
積立金の増額は総会で可決された。大規模修繕工事は5千万円ほどの工費で、管理会社が自ら元請けとなり協力会社へ発注する案も可決された。相見積もりは取っていたが、どれも管理会社が元請けで価格の妥当性がわからなかったという。
「投資用マンションは自分で住んでいない所有者が多く、管理への関心が薄い」と女性は感じている。総会の「出席率」は6割ほどだが、大半は議決権行使書を出すだけ。会場に実際に来る人はごくわずかで、所有者の負担増につながる議案も管理会社の思うままに可決されると実感した。
所有者が理事長に立候補
「自分が変えるしかない」と考え、女性は管理会社の本社で開かれた臨時総会に所有者としてただ1人出席した。会議室に通され、社員5~6人を前に「私、理事長に立候補します」と宣言した。「こんな大きな権限が任せきりだったとは」と振り返る。
その後の定例総会で選任され、以降の対応が続く。



