中古マンションの購入とリノベーションをセットで進める場合、不動産売買契約と工事請負契約の2つの契約が必要になる。これらは別々のタイミングで締結されることが多く、それぞれに確認すべき注意点がある。
契約時:「2つの契約」の内容をしっかり確認
不動産売買契約では、契約不適合責任(旧・瑕疵担保責任)の範囲と期間、ローン特約の内容、引き渡し時期とリノベーション工事のスケジュールとの整合性を確認する。中古物件の場合、特に「現況渡し」かどうかが重要だ。現況渡しでは、契約書に売主が契約不適合責任を負わない旨の特約が付されることが多く、給湯器や配管などの不具合について、引き渡し後に売主へ責任を問えないケースがある。
工事請負契約では、工事範囲・仕様・素材などの明記、工期と工事開始日の取り決め、追加費用が発生した場合の扱いを確認する。「ここまで工事してもらえると思っていたのに工事範囲に含まれていなかった」「素材を変更したら大幅な追加費用がかかった」といったトラブルを防ぐため、契約書と仕様書は必ず細かく確認したい。
引き渡し時:「鍵の受け取り」だけじゃない、重要な確認事項
物件の引き渡しは、鍵を受け取るだけで完了と思われがちだが、このタイミングでのチェックが非常に大切だ。
- 給湯器や水回りの動作確認
- 電気・ガス・水道の開通状況
- 壁・床・建具などに大きな傷や損傷がないか
- 付属設備(エアコン、照明など)の有無・状態確認
不具合がある場合は、その場で売主や仲介会社に伝えることがポイントだ。後から発覚しても、「引き渡し後なので対応できない」と言われるケースもある。リノベーション工事をすぐに始める予定でも、現状の状態を把握しておくことはトラブル防止に役立つ。
アフター:リノベ後も「住んでから」の対応を確認
工事が終わって引っ越しが済めば完了というわけではない。実際に住んでみてから、ドアの建て付けが悪い、水漏れがある、床材がはがれてきたといった不具合に気づくケースも珍しくない。
そのため、以下のようなアフター体制の有無を事前に確認しておくことが重要だ。
- 工事保証期間(1年保証、2年保証など)
- 不具合発生時の連絡窓口と対応スピード
- メンテナンスや追加工事への対応体制
また、リノベーション工事を行った会社が加入している「リフォーム瑕疵保険」などの内容も確認しておくと安心だ。
契約~アフターのチェックポイントまとめ
- 契約時:契約内容の明確化・仕様と価格の整合性・工期の確認
- 引き渡し:設備や内装の状態確認・動作チェック・報告のタイミング
- アフター:保証内容・窓口の有無・長期的なメンテナンス対策
これらを踏まえることで、住んでからの後悔を最小限に抑えることができる。
まとめ:完成がゴールじゃない。「その後」を見据えて備える
中古マンション+リノベーションという選択肢は、自分らしい暮らしを叶えると同時に、将来の住み替えや資産形成も見据えることができる戦略的な住まい選びだ。最後のステップである契約・引き渡し・アフターこそ、目先のことだけでなく、数年後、十数年後を見据えた判断が求められる。不明点はそのままにせず、焦らず丁寧に確認しながら進めていきたい。
執筆者プロフィール
角高広 株式会社すむたす 代表取締役。2012年、株式会社Speee入社。不動産売却メディア「イエウール」を立ち上げ、事業責任者として売却領域業界No.1へ。現GA technologiesグループのイタンジ株式会社にて、経営企画・複数事業責任者・人事を兼任した後、2018年、テクノロジーを活用した中古マンションの買取再販・仲介事業を手掛ける「株式会社すむたす」を創業。最短2日で現金化できるマンション売却サービス「すむたす売却」の累計査定数は4万件を超える。リノベマンションが仲介手数料0円で買えるポータルサイト「すむたす直販」も展開している。2019年、Forbes「アジアを代表する30歳未満の30人(Forbes 30 Under 30 Asia) 」選出。



