秋田市の沼谷純市長は26日、外旭川地区のまちづくり事業について、事業パートナーのイオンタウン(千葉市)から1月に示された新提案を「従前の計画との比較で相当良いものになった」と評価し、推進していく考えを表明した。昨年4月の計画白紙撤回から1年以上を経て、新たな計画が動き出す。
推進を決断した3つの理由
沼谷市長は同日の定例記者会見で、推進を決断した理由として、▽卸売市場の再整備や屋内遊戯施設の整備が市の課題解決に資する▽移転した市場の跡地を同社が30年以上借り上げる合意が得られたなど計画の実現性が高まった▽第3次産業中心ではなく、ものづくりや物流の要素が含まれ、市全体の産業振興に資する――の3点を挙げた。
昨年4月に就任した沼谷市長は、初登庁と同時に従来の計画の白紙撤回を指示。同社側に、計画を「市の経済にとってプラスでオンリーワンな内容」とするよう求めてきた。新提案では、市場を北側の農地に移転し、その跡地や周辺に、大型遊具などを備えた「子育て・体験型複合施設」のほか、「秋田の食・文化体験施設」、「ものづくり施設」、「物流施設」などを整備する。
投資額と期待される効果
同社側は建設段階での投資額は800億~900億円、年間来場者数は800万~1000万人と想定する。市が行ってきた検証では、雇用創出効果や観光拠点化が期待できるほか、市場についても、市が検討していた現在の敷地での再整備よりも同社の移転案の方が長期的な事業収支では優位などと評価していた。
同社による外旭川地区への出店構想は2012年に浮上。24年にはサッカーJ2・ブラウブリッツ秋田の新スタジアム整備を組み込んだ基本計画が策定された。
今後の課題と市議会への提案
だが、整備用地となる農地の転用に向けた地域未来投資促進法の活用を巡り、共同申請する県から「農地を転用する理由としては説明不足」などとして理解が得られず、スタジアムの整備地が八橋地区に移ったこともあり、計画の見直しが迫られた。今回の計画でも同法の活用が必要となるが、沼谷市長は、「法への適合性も増しただろうと思っている」と説明した。
市は事業の推進に向け、31日開会の市議会8月定例会に、まちづくり事業の基本計画策定経費380万円、卸売市場再整備の基本計画改定経費1930万円を提出する。沼谷市長は「市議会でも色んな意見が出ると思うが、そういったものを受け止めながら、さらに良い形にして実現に向かっていきたい」と述べた。



