ラジオ体操を正しく行うことで、認知症リスクを18%低下させる効果が期待できることが、東京都健康長寿医療センター研究所の研究で明らかになった。同研究所の植田拓也副センター長は「ラジオ体操は全身の筋肉をバランスよく動かし、血流を促進することで脳の活性化につながる」と説明する。
ラジオ体操の知られざる効果
ラジオ体操は単なる準備運動ではなく、3分間で400以上の筋肉を動かす全身運動だ。正しいフォームで行うことで、体内年齢を若く保ち、認知症予防だけでなく、介護予防やフレイル予防にも効果が期待できる。植田副センター長は「ラジオ体操は誰でも簡単に始められるが、効果を最大化するには正しい動きが重要」と強調する。
正しいラジオ体操のポイント
指導者で書籍『じつはすごい! 科学的に証明された本当のラジオ体操』(アスコム)の著者でもある鈴木大輔氏は、特に2つの運動に注目する。
①「伸びの運動」—胸を開いて呼吸を深く
最初の「伸びの運動」では、両腕を上げる際に胸をしっかり開くことがポイント。正しく行うと胸が開いて呼吸が深くなり、姿勢がピンとして体全体にスイッチが入る感覚が得られるという。
②「腕を振って脚を曲げ伸ばす運動」—全身の連動性を高める
2番目の運動は「上半身と下半身の動きを連動させること」がテーマ。かかとを上げた状態で腕を振りながら軽く屈伸し、腕を振り戻すタイミングで一瞬「トン!」とかかとを下ろす。このリズムが難しく、腕と脚がバラバラになる人が多い。スムーズにできるようになると、日常の動きが軽やかになり、ふくらはぎの筋肉が刺激されて全身の血流が向上する。
効果を高めるコツ
腕は「前後」ではなく「真横」に振ることが大切だ。前後に振ると肩がうまくほぐれない。かかとを上げた状態を意識し、腕を体の近くを通して真横に振る。「トン!」とかかとを下ろすのは一瞬で、すぐにまたかかとを上げてリズムを続ける。正しいフォームを意識するだけで、3分間の価値が激変し、長年のラジオ体操がまったく新しい体操のように感じられる。



