政府が中東情勢の混乱を踏まえてまとめたエネルギー多角化政策のパッケージ案が25日、判明した。原子力発電を最大限活用することや、次世代型太陽電池への積極投資で、脱炭素に向けたGX(グリーントランスフォーメーション)を加速させる。ホルムズ海峡を経由しない石油確保策の強化により、化石燃料の調達多角化も進める。
パッケージ案の概要と公表予定
複数の政府関係者が明らかにした。「エネルギー需給構造の強靱化総合パッケージ」(パワーGX)として、高市首相が出席する26日のGX実行会議でとりまとめ、公表する見通しだ。
パッケージ案では、〈1〉化石燃料の調達先多角化やリスクの低減〈2〉原子力や国産再生エネルギーなどのGXの加速・強化〈3〉日本が主導するエネルギー調達の枠組み「パワーアジア」を通じた各国連携による強靱化――を掲げた。
具体的な施策と原発建て替え計画
具体的には、燃料調達先を多角化するため、原油やナフサなど石油製品の調達先をホルムズ海峡から変更した事業者に対して、増加する輸送コストを支給して支援する。エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)を通じ、ホルムズ海峡を迂回するためのパイプライン整備の建設資金も手当てする。
現在、備蓄制度の対象外となっているナフサの確保を目的とした原油の国家備蓄の仕組みも新たに導入する方針だ。
化石燃料依存からの脱却を進めるため、原発の活用に取り組む。2040年代に最大5基、50年代に最大14基を建て替え、次世代炉・小型モジュール炉(SMR)の導入に向けた研究開発を加速する。
再生エネルギー投資と今後の見通し
次世代型の「ペロブスカイト太陽電池」や地熱発電など、国内産業基盤の投資も進める。水素やアンモニアの活用など、化石代替燃料の供給も拡大させる。
米国とイスラエルによるイラン攻撃を受けてホルムズ海峡が事実上封鎖されたことで、ナフサなどの石油関連製品の供給不安が広がった。緊急対策で石油製品の「目詰まり」は解消しつつあるが、政府は将来の有事に備えた構造的な対応が不可欠と判断した。
政府は、関連法案を秋の臨時国会にも提出する方針で、年末の予算編成で関連施策に重点配分する。



