EVシフト加速で銅需要急増、2030年に供給不足の懸念
EVシフトで銅需要急増、2030年供給不足懸念

電気自動車(EV)の普及が加速する中、主要金属である銅の需要が急増し、2030年には供給不足に陥る可能性が高まっている。国際銅協会(ICA)の報告によると、EV1台あたりの銅使用量は従来のガソリン車の約4倍に達し、充電インフラの整備も需要を押し上げる要因となっている。

EV1台あたりの銅使用量は約80kg

従来のガソリン車では1台あたり約23kgの銅が使用されるのに対し、EVでは約80kgが必要とされる。これは、バッテリーやモーター、インバーターなどに銅が多用されるためだ。さらに、急速充電器1基あたり約10kgの銅が使用される。

国際エネルギー機関(IEA)の予測では、2030年までに世界のEV販売台数は約3000万台に達し、それに伴う銅需要は現在の約3倍の年間約300万トンに増加する見通し。しかし、銅鉱山の新規開発は環境規制の厳格化や採掘コストの上昇により遅れており、供給が追いつかない可能性が指摘されている。

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銅価格は過去最高値を更新

銅価格は2024年に入り、ロンドン金属取引所(LME)で1トンあたり1万ドルを超え、過去最高値を更新した。アナリストの間では、2025年以降も供給不足が続き、価格がさらに上昇するとの見方が強い。

「銅はEVシフトにとって不可欠な金属であり、供給制約がEV普及のボトルネックになる可能性がある」と、資源アナリストの田中氏は指摘する。自動車メーカーは代替材料の開発やリサイクル技術の向上に取り組んでいるが、抜本的な解決には至っていない。

銅需要の増加が産業界に与える影響

銅需要の急増は、自動車産業だけでなく、電力網や建設分野にも影響を及ぼす。再生可能エネルギーの拡大にも銅は不可欠であり、風力発電や太陽光発電の設備にも大量の銅が使用される。供給不足が深刻化すれば、EVや再生可能エネルギーへの移行が遅れる可能性も懸念される。

「銅の安定供給を確保するためには、鉱山開発の促進と同時に、リサイクル率の向上や代替材料の開発が急務だ」と、経済産業省の担当者は述べている。日本政府も、資源外交の強化や備蓄制度の見直しなど、対策を急いでいる。

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