中国の巨大ダム「三峡」が国家の弱点に? 専門家が語る崩壊リスク
中国の巨大ダム「三峡」が国家の弱点に?専門家が語る崩壊リスク

2026年7月、中国各地が猛烈な嵐に見舞われ、広西チワン族自治区では台風10号による記録的豪雨で六藍ダムが決壊した。当局の発表によれば、堤体の2カ所、総延長およそ50メートルにわたって崩落し、大量の泥水が下流の村々を飲み込んだ。南寧市は洪水緊急対応レベルを最高の「1級」に引き上げ、約4万8000人が避難した。中部の湖北省では竜巻で11人が死亡し、北西部の甘粛省では土砂崩れで21人が命を落としている。

老朽化ダムの決壊と三峡ダムの脆弱性

老朽化したダムが豪雨に耐えきれず崩れるという痛ましい光景は、中国という国家が抱える宿命的な脆さの縮図だと、評論家の白川司氏は指摘する。そして、この脆さが極限のかたちで凝縮しているのが、中国が「国家の誇り」と呼ぶ三峡ダムだ。三峡ダムは1993年に着工し、2009年に完成。湖水面積は約1084平方キロメートルで琵琶湖の約1.6倍に相当する。

かつて、この巨大ダムの完成前に、その破滅的な結末を「予言」した学者がいた。清華大学水利系教授だった黄万里氏は、コーネル大学修士、イリノイ大学工学博士という経歴を持ち、三峡ダム建設計画が本格化した1990年代初頭、地質・環境・生態の観点から繰り返し反対意見書を提出。1993年、江沢民氏をはじめとする国家指導者に宛てた書状で、三峡ダムがもたらす12の壊滅的な結果を予言した。

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予言の数々が現実に

黄万里氏が列挙した災厄は、いまや次々と現実のものとなっている。崖崩れ、地滑り、ダム決壊が相次ぎ、上流を襲う「逆流水害」も発生。最大の経済都市・上海にも危機が迫る。もし三峡ダムが敵に狙われた場合、ミサイル2発で核攻撃に匹敵する被害をもたらす可能性があると白川氏は指摘する。

中国当局は「対症療法」として1.7兆円を投入しているが、黄万里氏が残した「最後の予言」がどうなるのか、その行方が注目される。

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