主要中銀、大半が金利据え置きへ-日銀とノルウェーが例外に
イラン戦争の長期化が世界経済に影を落とす中、主要中央銀行の多くが今週も政策金利の据え置きを選択する見通しだ。戦闘開始から100日を超え、インフレと景気減速の両リスクを慎重に見極める姿勢が強まっている。一方、日本銀行は低金利政策からの正常化を着実に進め、政策金利を1%に引き上げる公算が大きい。また、ノルウェー中銀も追加利上げの可能性がある。
米国FRB:新議長の下で据え置き、先行きは不透明
米連邦公開市場委員会(FOMC)は16、17両日に会合を開き、新たに議長に就任したウォーシュ氏が初めて主宰する。金利据え置きが広く予想されるが、5月の雇用統計が予想を上回り、インフレ率が約3年ぶりの高水準を記録したことで、今後の利上げ観測がくすぶる。ウォーシュ議長は過去に低金利支持派とインフレ警戒派の両面を見せており、その姿勢が注目される。17日発表の5月小売売上高は前月比0.5%増と予想され、消費者が物価上昇にもかかわらず底堅さを維持しているかを示す。
アジア太平洋:日銀は1%利上げ、中国経済指標に注目
日銀は15、16両日の金融政策決定会合で政策金利を1%に引き上げる見通し。これは過去10年間の超緩和政策からの正常化をさらに進めるもので、賃金上昇とインフレの持続性に対する当局の評価が焦点となる。中国では16日に5月の小売売上高、工業生産、固定資産投資などの経済指標が発表され、不動産不況の安定化や成長減速の兆候が注目される。オーストラリア準備銀行は16日に政策金利を4.35%に据え置く見込み。今年3回の利上げ後、初めての据え置きとなる。
英国:補欠選挙と英中銀の政策決定が同日に
英国では18日、下院補欠選挙とイングランド銀行の金融政策決定が重なる。補欠選挙には次期首相候補と目されるバーナム・マンチェスター市長が出馬し、当選すればスターマー首相への挑戦が本格化する。英中銀は多数の政策委員が利上げに反対するとみられ、金利据え置きが濃厚。17日発表のインフレ統計では加速が示される見通しで、18日朝には労働市場統計も公表される。
その他の注目点:スイス、ノルウェー、ECBの動き
スイス国立銀行は安全資産としてのフラン流入を受け、政策金利を0%に据え置く見通し。ノルウェー中銀は追加利上げの可能性があるが、急ぐ必要は低いとされる。欧州中央銀行(ECB)は11日に2023年以来の利上げを実施済み。また、世界のGDPの4割超を占める20以上の国・地域の中銀が今週政策決定を行う。スイスでは人口上限導入の是非を問う国民投票、ブリュッセルではEU首脳会議も開催される。



