卵かけご飯11.6食→9.2食 最低賃金アップでも買える朝食減少 物価高が直撃
最低賃金アップでも朝食減少 卵かけご飯11.6→9.2食

最低賃金の見直し議論が今年も始まった。昨年は全国各地で過去最高水準の引き上げとなったが、物価の高騰も続いており、最低賃金の時給分で賄える朝食が目減りしている実情が浮かび上がった。労働組合などはさらに大幅な引き上げを求めている。

最低賃金とは?毎年議論される賃金の下限

最低賃金とは、企業が労働者に最低でも支払わなければならない賃金の水準のこと。経済団体や労働組合の代表者などが毎年話し合い、厚生労働省の審議会で示された地域ごとの目安を参考に、各都道府県で実際の引き上げ額を決める。

最低賃金の引き上げを求める人々=2026年7月6日、大阪市中央区、野口陽撮影

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大阪府の最低賃金:5年で22.1%上昇も、食品価格はさらに上昇

大阪府の最低賃金は例年上昇しており、2020年度の時給964円から2025年度の同1177円へと22.1%上昇した。特に2025年度は過去最大の引き上げ幅となった。しかし、食品価格の上昇がそれを上回っている。

2020年と2025年について、大阪市で1人分の「パンの朝食」(食パン、牛乳、卵)を作る場合の材料費を小売物価統計(各年平均)から試算し、最低賃金で「何食分食べられるか」を導いたところ、材料費は5年で25%上昇。最低賃金の時給分で買えるのは、10.1食分から9.8食分へと減少した。

卵かけご飯はさらに減少:11.6食から9.2食へ

特に値上がりが顕著だったのが卵だ。卵かけご飯(ご飯、卵、しょうゆ)の材料費で試算すると、2020年には最低賃金の時給で11.6食分買えたが、2025年には9.2食分にまで減少。物価高が低所得世帯の朝食を直撃している実態が明らかになった。

日本大学教授の末冨芳氏(教育行政学)は「最低賃金も少しずつ改善されているが、インフレ率がそれを上回る状況で低所得世帯ほどダメージを受けている」と指摘。さらに「イギリスの最低賃金はインフレ率を考慮して年4~6%上昇している。日本政府は失われた30年でインフレ対応策がど下手になった」と批判した。

今後の見通し:さらなる引き上げ求める声

労働組合などは、物価上昇に追いつくためのさらなる最低賃金引き上げを求めている。一方、経済団体からは中小企業への影響を懸念する声もあり、議論は難航が予想される。政府は2030年代前半に最低賃金1500円を目標としているが、達成時期の先延ばしも検討されている。

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