宇宙企業ispace(アイスペース)と三菱重工業は29日、2028年に予定する月面着陸ミッションで、月着陸船「ULTRA(ウルトラ)」を日本の基幹ロケット「H3」で打ち上げる契約を結んだと発表した。国産の月着陸船とロケットを組み合わせ、民間主導で月へ物資を運ぶ「月面輸送システム」の構築をめざす。
ULTRAの仕様と打ち上げ計画
ULTRAは、月面に降りるための脚を備えた月着陸船で、脚を広げた状態で高さ約3.6メートル、幅約3.3メートル。燃料を除いた重さは約1トンで、最大で数百キロの荷物を運べる。打ち上げに使うH3は、1段エンジン2基と補助ブースター2本を組み合わせた「22形態」となる。
失敗を経て再挑戦
ispaceはこれまで、米スペースXのロケットで2度の月面着陸に挑み、いずれも月周回軌道までは到達したが、最後の着陸に失敗した。今回のULTRAは、上限120億円の国の補助金を活用して開発する。月面の水資源探査や観測に使う国内外の機器を載せる予定で、現時点の契約額は64億円という。
月面輸送システム構築へ
同社のCEOは「日本の自立性確保が重要」と述べた。H3は2025年末の8号機打ち上げを予定している。



