宇宙航空研究開発機構(JAXA)は10月20日、火星衛星探査機「MMX」を搭載したH3ロケット10号機の打ち上げを実施した。H3ロケット10号機は、4時41分03秒に種子島宇宙センター大型ロケット発射場から離昇し、順調に飛行を続けている。
H3ロケット10号機の特徴
H3ロケット10号機は、固体ロケットブースタ(SRB-3)4本とロングフェアリングを装備した「24形態」で、日本のロケットとして最も大きな構成となる。第1段エンジンLE-9を2基と固体ロケットブースター(SRB-3)4本の組み合わせにより打ち上げ能力を強化した「最強タイプ」で、重量級のペイロードにも対応できるのが最大の特徴だ。
MMX探査機のミッション
MMX(Martian Moons eXploration)は、JAXAを中心に、米航空宇宙局(NASA)や欧州宇宙機関(ESA)、フランス国立宇宙研究センター(CNES)、ドイツ航空宇宙センター(DLR)といった世界の宇宙機関が連携する国際的なプロジェクトだ。
MMX探査機は地球を旅立った後、火星の衛星・フォボスを目指し、地表面の物質を採取。2031年度に地球に帰還する計画だ。小惑星から試料を持ち帰った探査機「はやぶさ2」に続く、世界初の「火星圏からのサンプルリターン成功」を目指しており、惑星間往復飛行技術の「火星重力圏」への挑戦にもなる。
科学的な目標
MMXによるサンプルリターンを通じて、原始太陽系における有機物・水の移動、天体への供給過程の解明に寄与することを目指す。火星衛星に含まれる含水鉱物・水・有機物などを解析して水や有機物の存在を明らかにするとともに、火星衛星の由来を解明することにしている。