相手は最低でも五人ということになる。こちらは三人。いくら相手が半端なチンピラだからといって、ヤクザは不利な喧嘩はやらない。
戦いは数が原則
戦いは数だというのが原則だ。戦国時代の戦でも、兵力がどれくらいかで優劣を決するのだ。喧嘩も同じだ。
とはいえ、ここでぼうっとしていても仕方がない。
日村の指示
「中の様子を見にいこう。挨拶くらいできるかもしれない」
稔はうれしそうな顔になった。
「いよいよ宣戦布告ですか?」
普段は堅気以上におとなしいが、こういうときに地が出る。日村は厳しい口調で言った。
「ばかを言うな。こんなところで、俺たちが喧嘩始めてどうなる。あくまでも、様子見だ。絶対に手を出すな。いいな」
稔はしゅんとなってこたえた。
「わかりました」