奈良県葛城市の三ツ塚古墳群で発掘された7世紀末の黒漆塗り革袋「飛鳥のポシェット」の復元品が、奈良県立橿原考古学研究所で公開されている。石川県輪島市の漆工房が被災しながらも、1300年前の技法に挑んだ。
能登の被災状況と復元への挑戦
令和6年元日の地震に見舞われた能登半島は、今も爪痕が残っていた。「電柱は傾いたままで、道路もつぎはぎだらけだった」と、鞄工房山本の山本一彦会長は語る。同会長は今夏、輪島市の漆工房を訪ねた。
1300年前の技法に挑む
革袋は、当時の官僚が筆記用具などを入れたとされ、中国・唐からもたらされたという。漆工房「清里」の水尻清甫代表は「形を崩さず鹿皮に漆を塗るのは至難だった」と振り返る。工房も被災したが、共に1300年前の技に挑んだ。
完成品と今後の公開
完成品を手に山本さんと橿原へ向かった。「互いにこの道50年。道中、漆と皮の話に花が咲きました」と山本さんは語る。復元品は9月6日まで同研究所博物館で公開される。高貴な漆の光沢の奥に、職人の思いがこもる。能登復興への強い決意が感じられる。



