大阪・関西万博の北欧館の公認サポーターとして活動したイラストレーターのナシエさんが、万博での体験をまとめた冊子「大阪・関西万博 北欧パビリオン絵手帖」を発表し、この春には万博をテーマにした個展も開いた。「大阪に住む自分だからこそ描けるものがあると思うとワクワクした」と振り返る。
万博で北欧5カ国の魅力を発信
ナシエさんは昨年開催された大阪・関西万博の北欧館の公認サポーターとして、開幕前から会場に通い、出展した5カ国(デンマーク、フィンランド、アイスランド、ノルウェー、スウェーデン)のナショナルデーやイベントを取材。漫画で発信した。
北欧の国々が大切にしてきた環境、平等、持続可能性といった価値観や挑戦する姿勢に触れるまたとない機会となり、「5カ国が一つにまとまっていたことに深い学びがあった」と話す。
北欧への興味の原点
北欧に関する著書は4冊。興味を持ったきっかけは、ムーミンの作者でフィンランド出身のトーベ・ヤンソンの絵だった。かわいらしいキャラクターとして親しまれているが「原作にはどこか、寂しさや影、少し怖いような雰囲気があり、衝撃を受けた」と思い返す。
さらに、雑貨やファブリック、インテリア、建築に共通するシンプルで機能性を重視した美しいデザイン、その背景にある自然や暮らしに対する考え方にもひかれたという。現地を訪れ、関連する仕事をするたびに新しい発見があり、「知れば知るほど面白い」と心を奪われた。
絵で人をつなぐ活動
大阪で育ち「絵が好きで、絵ばかり描いている子だった」というナシエさん。美術短大を卒業し、就職。将来を模索する中でイラストの仕事を受けるようになり独立した。上京して14年間過ごし、出産を機に令和元年、大阪に戻った。
現在は書籍や雑誌、絵本、広告と幅広いジャンルで活躍。イラストには「難しいことや伝わりにくいことを、やさしく分かりやすく伝える力がある」と信じ、見る人がほっとしたり前向きな気持ちになったりするよう心がける。
絵は大親友のような存在で、「心を癒やしてくれるだけでなく、人との交流が生まれ、絵をきっかけに人とつながっていく」。そんな素晴らしさを味わってもらえたらと子供向けの絵画教室を運営。自身の幼かった頃と重ねつつ、「絵が好きな子供や、うまくなりたい子供たちと過ごす時間は宝物」と目を細める。
好きだと思うものや、興味を持ったことを自分なりの視点で表現するイラストを描き続ける。あわせて北欧から教わった「幸せとは何か」「豊かさとは何か」といったテーマや、環境、福祉、教育といった分野をイラストの力でやさしく伝える仕事にもかかわっていくつもりだ。



