青森県産業技術センターりんご研究所(黒石市)は、高温に強いリンゴの新品種「青り30号」の品種登録を農林水産省に出願した。温暖化が進む中、リンゴ産業を支える一手となるか期待がかかる。
猛暑で色づき悪く、実割れも
リンゴの赤い色素の生成に適した気温は15~20度のため、猛暑では色づきが悪くなる。また、強い日光や高温の下では皮の伸縮性がなくなり、実が割れやすくなる被害も発生する。見た目で評価されるリンゴには致命的だ。
実際、猛暑に見舞われた2023~25年には、県が維持目標としてきたリンゴ収穫量40万トンを割り込んだ。温暖化傾向が続けばさらに打撃が大きくなる。
開発の経緯と特徴
青森地方気象台などによると、県内の年平均気温は過去100年間で2度上昇した。このままでは、今世紀末には20世紀末より4・7度も暑くなる恐れがあり、暑さに耐えられる品種の確保は急務といえる。
りんご研究所は2000年から青り30号の開発を続け、今年3月に品種登録を出願した。県産リンゴの主力品種「ふじ」と比較して高温でも着色しやすく、実が割れにくい特徴が確認されている。果実はふじより一回り小さく、収穫時期は11月だ。味は「甘みと酸味のどちらも強く、どの品種にも似ていない独特で濃厚な風味」(葛西部長)という。
今後の普及に向けた試験
県は今後、県内10か所で試験的に栽培して想定通りに収穫できるのかを調べたり、県内外の市場関係者から味の評価を聞き取ったりする。29年度をめどに青り30号を本格的に普及させるべきか判断する予定だ。
生産者も品種開発を見守る。県りんご協会の技師として技術指導を行う傍ら、弘前市で自身の農園を経営する工藤貴久さん(53)は「年々暑くなっている実感があり、品種そのものについて考えなければいけない時期だろう。高温でも狙った質で作れるものができるとありがたい」と期待している。