欧州連合(EU)の気候監視機関「コペルニクス気候変動サービス」は10日、8月の世界の平均気温が観測史上最高を記録したと発表した。前例のない規模に発達しつつあるエルニーニョ現象の影響により、状況は今後さらに悪化するおそれがあると警告している。
記録的な猛暑と山火事をもたらした夏
陸上および海上の世界平均気温は8月に過去最高に達し、西欧や米本土で記録的な猛暑や山火事をもたらした過酷な夏を締めくくった。
コペルニクスによると、8月の世界平均気温は16.96度となり、2023年7月に記録された単月最高気温を0.01度上回った。同機関は差がわずかであることから、この2か月間を同率で過去最高としている。
専門家の見解と海水温の記録更新
コペルニクスを運用する欧州中期予報センター(ECMWF)のサマンサ・バージェス氏は、「人類はおそらく少なくとも過去10万年間で、これほど高い気温を経験したことはない」と語った。
国際海洋研究機関「メルカトル・オーシャン・インターナショナル」のシモン・ファン・ヘニップ氏は10日、この異常な夏によって海水温も3か月連続で過去最高を更新したと明かした。
8月の世界平均海面水温は日別で過去最高を更新し、月平均でも観測史上最も高い水準となった。特定の海域では海洋熱波が60日以上持続しており、極めて異例な状況が続いているという。
要因と今後の見通し
コペルニクスは主な要因として石炭や石油、ガスの消費に伴う地球温暖化を挙げるとともに、太平洋で勢力を増している異例のエルニーニョ現象も影響していると説明した。
エルニーニョは、太平洋赤道域の中部から東部にかけての海面水温を上昇させ、風、気圧、降雨量に世界的な変化をもたらす。
通常のエルニーニョでも地球全体の気温を一時的に押し上げる効果があり、長期的な温暖化の影響と重なることで、ピークを迎えた翌年が最も暑い年になる傾向がある。
気象機関の予測では、今回のエルニーニョ現象は今年後半にかけて現代の観測史上例を見ない規模に達するとみられている。
米海洋大気局(NOAA)は10日、「1950年以降の過去のエルニーニョの規模を超える確率が75%ある」と発表した。



