2025年11月3日、ドジャースのワールドシリーズ制覇に伴う優勝パレードで笑顔を見せた大谷翔平夫妻。その直後、大谷選手の第2子誕生が発表され、ファンの間で「年子」ではないかという憶測が飛び交った。SNSでは真美子夫人の健康を案じる声が相次ぎ、一部で「年子は危険」という言説が広がっている。しかし、この過熱する論争の背景には、人間の認知の仕組みに起因する「脳のバグ」があるという。
なぜ年子が注目されるのか
大谷選手の第2子誕生は、2025年11月に報じられた。第1子誕生から約1年とみられることから、ネット上では「年子」というキーワードがトレンド入り。医学的リスクを指摘する声や、真美子夫人の体調を心配する書き込みが相次いだ。しかし、実際には年子であるかどうかは公式には確認されておらず、憶測の域を出ない。
この現象を「見た目戦略研究家」で桜美林大学教授の宮本文幸氏は、認知科学の観点から分析する。人間の脳は、自分にとって関心の高い情報を無意識に優先的に拾い上げる「選択的注意」という特性を持つ。例えば、子どもが生まれた途端に街中に子どもが多く見えるようになったり、新車を買うと同じ車種が目につくようになるのはこのためだ。
ナイーブ・リアリズムが生む確信
さらに、人は自分の経験に基づいて物事を判断する「ナイーブ・リアリズム」に陥りやすい。産後の回復に苦しんだ経験がある人は、年子の医学的リスクに関する情報を重要視し、それを「正しい現実」と信じる。一方、年子を経験して乗り越えた人は「個人差」や「決定権」を重視する。どちらも嘘や悪意があるわけではなく、脳が過去の経験に基づいて情報を選別しているに過ぎない。
宮本氏は「ナイーブ・リアリズムが思い込みに確信を与え、選択的注意がその確信を裏付ける情報だけを次々と提示する。この2つが組み合わさることで、人はますます『自分の見方こそが正しい』という感覚を強める」と指摘する。
年子論争の本質
今回の年子論争は、大谷夫妻の私的な問題に過ぎない。にもかかわらず、多くの人が自分の経験や知識に基づいて真美子夫人の健康を「心配」するのは、脳の特性によるものだ。しかし、その心配が本人にとっては余計なお世話である可能性も否定できない。
宮本氏は「重要なのは、自分の見方が絶対的に正しいわけではないと認識すること。多様な視点を認めることで、不必要な論争を避けられる」と締めくくった。



