県内最大規模のマルシェの出店名簿に、ひときわ目を引く店名を見つけた。カフェレストラン「かいじゅうとヒュッテ」。瀬戸内市長船町西須恵の田んぼの中にたたずむ古民家風の建物で、門の脇にはかわいいイラストの立て看板が迎えてくれる。
無国籍料理で異国の旅気分
店内は10畳と12畳の続きの和室をフローリングに改修し、椅子席を含めて約25人分がゆったりと確保されている。店主の七戸あみかさん(45)のお薦めは週替わりのランチ(税込み1700円)。訪れた日はタイ料理とベトナム料理を取り入れたエスニックなメニューだった。
あえて和食を取り入れず、お客さんが海外を旅しているような気持ちになれるよう、様々な外国の料理を織り交ぜた「無国籍料理」にこだわっている。ウェルカムドリンクの冷たいハーブティー「月桃茶」を味わうと、ガパオライスをメインに、ズッキーニやニンジンのグリル、マンズナルインゲンとコーンのニョクマムソテー、モズクのスープが運ばれてきた。
ガパオライスには、庭で栽培しているガパオ(ホーリーバジル)を提供直前に摘み取って添えてあり、フレッシュなスパイスの香りが立つ。スパイシーさはほどほどで、肉や卵、米、野菜の味がしっかりと伝わってくる。七戸さんは「素材の持ち味を優先に考えて調理しています。仲間のつくったおいしい野菜を味わってほしいので、辛すぎたり、香りが強すぎないように気をつけています」と話す。
移住と店名に込めた願い
七戸さんは大学卒業後、都内のフランス料理店やイタリア料理店で腕を磨いた。2018年に家族とともに東京から訪れ、2年がかりでこの家を見つけ出して移住。知人の大工と一緒に約1年間かけて店舗兼住宅にリフォームし、21年にレストランとして開業した。
「店名は、怪獣のように元気いっぱいの息子2人が将来も健康に成長してくれることを願って名付けました」。当初の店舗名は「かいじゅう(怪獣)とたね(種)」だったが、無店舗でおいしいパンを販売していた友人と共同運営するため、今年4月に現在の店舗名に変更した。
店で使う野菜や肉などの素材の大半は県産品。特に野菜は、店舗を探すなかで知り合った市内の農家3軒から調達している。農家との交流も移住の決め手になったという。メニューはさまざまな野菜の収穫に合わせて組み立てている。
瀬戸内の豊かさと異国情緒
「ここは海や山があって天気もいい。そしていろんな食材の宝庫。なによりも人が優しく、住んで楽しいだろうなと思えたからこそ決断できた」と七戸さん。店内はお昼時を過ぎても客が絶えない。
ランチはプラス300円で各種ドリンクが付けられる。季節の果物を使ったスイーツ(600円から)も味わえる。JR邑久駅から車で約10分。営業日は毎週水、木、土曜日と隔週日曜日。営業時間は午前11時~午後4時。問い合わせは同店(080・6808・2198)。



