仕事だけをして満足したり、一流を気取っていると、退職後残念な末路が待っているかもしれない。『非学歴エリート』著者の安井元康氏は、大人の責任である仕事や家事、育児をきちんとこなしたうえで、人生をより充実させ、人間としての成熟を図るためにも、仕事から離れた「一個人」としての遊びが大切だと指摘する。
仕事一筋のビジネスパーソンは遊びが下手
いわゆる仕事一筋系のビジネスパーソンは、得てして遊びが下手で、「趣味もありません」という人が非常に多い。退職した途端に独りぼっちになり、家庭にも居場所がないというパターンはその典型だ。
つい先日もある新聞で、退職した夫がいつも家でゴロゴロしているという人生相談が掲載された。ようやく子育ても終わり、1人の時間を満喫しようとしていたところ、毎日世話をしなければいけない対象(=夫)ができてうんざりしているという内容だった。これも同じパターンである。
退職後の孤独と家庭内での居場所喪失
平日は仕事と飲み会でほぼ家におらず、週末も仕事関係の相手とのゴルフで家を空けていたが、退職と同時にゴルフへ行く相手もいなくなり、家にこもっているらしい。職業人という側面でしか自分を知らず、人間関係は職場の中だけ。価値観も会社のそれ以外は持ち合わせていない。これでは、仕事から離れたときにどう振る舞えばいいか分からなくなるのも当然だろう。
趣味は「わざわざやる選択科目」だから難しい
とはいえ、趣味を含めた遊びを勧める理由は老後対策だけではない。人生はリフレッシュすることでメリハリが生まれる。仕事上の肩書きがまったく関係のないコミュニティで人間関係を築くことは、人としての成熟を促す。さらに、「孤独力」を磨くことによる人間味の熟成、発想の転換、時間の有意義な使い方など、挙げればきりがないほど多くの利点がある。
安井氏は、趣味や遊びを探すことは難しいと認めつつも、それが人生の充実に不可欠だと強調する。退職後に後悔しないためにも、今から自分の興味を広げ、仕事以外のコミュニティに参加することが重要だ。



