大河ドラマ『べらぼう』や映画『国宝』で俳優として高い評価を受けている横浜流星さん。最近の「BLには興味ない発言」や「髭面ビジュアル」に賛否が集まる中、その無骨でワイルドな路線への変貌が「成功としか言えない」と話題になっています。
メディアごとに異なる「顔」
横浜さんの出演作を丁寧に追ってきた投稿者にとって、今回の変化は驚くようなことではないと指摘します。情報チャネルによる認識のズレをはっきり言語化する声も上がっています。
「知ったきっかけは見た目(ドラマ)だったけど、作品を見る毎に中身(演技)でも好きになった」というように、テレビから入って映画へと追いかけるようになった過程を語るコメントも見られました。
スターの「顔」は複数のテクストの集合体
なぜ、同じ人物についての情報が、接するメディアによってこれほど異なる印象を生むのでしょうか。映画研究の分野には、スターの「イメージ」を分析する古典的な理論があります。
この理論によれば、スターの実像は単一のものではなく、出演する映画、ドラマ、インタビュー、広告など、複数のメディア・テクストの集合体として観客の中に構築されます。それぞれのテクストが異なる側面を切り取るため、テクスト間にギャップが生じるのはむしろ自然なことであり、このギャップこそがスター研究の中心的なテーマの1つとされてきました。
テレビと映画の二層構造
横浜さんの場合、「テレビ」というテクストと「映画」というテクストが、それぞれ異なる面を担ってきました。その2つが、この1週間でほぼ同時に一般層の目の前に並んだのです。だから、両方を知っていた層には驚きがなく、片方しか知らなかった層には強い驚きが生まれた——これが二層構造の正体です。
この現象は、同じ人物の情報であっても、接触するメディアチャネルによって知りうる「顔」が異なるという、いわば観客層ごとの情報格差として整理できます。テレビしか見ない視聴者と、映画館に足を運ぶ観客、さらにファンクラブの配信まで追う熱心なファンとでは、同じ「横浜流星」という人物でも蓄積してきた情報量がそもそも異なります。今回はその格差が、たまたま同じ1週間の中で一気に可視化されたにすぎません。



