金箔を支える日本唯一の和紙「箔合紙」が消滅危機、後継者ゼロで年商3分の1に
金箔支える唯一の和紙が消滅危機、後継者ゼロ

金箔製造に欠かせない日本唯一の「箔合紙」が、後継者不足により消滅の危機に瀕している。石川県で唯一の箔合紙職人である上田氏は「私の代で最後かもしれない」と語る。年商は30年前の3分の1にまで落ち込み、後継者はゼロ。注文が半年待ちの状態にもかかわらず、技術を引き継ぐ者がいない。

手作業で守る伝統の技術

箔合紙は、金箔を打ち延ばす際に挟む和紙で、均一な厚さと強度が求められる。上田氏は1枚1枚、一定のリズムで和紙を漉き上げる。全体を均一な厚さに漉き上げる技術は、感覚に頼るしかないという。「非効率ですよね。作り方は、感覚でしかありません」と上田氏は苦笑する。

気温や湿度によって、その日の漉き方を変える。夏場は原料に混ぜるトロロアオイの粘り気が分解されやすく、頻繁に補充する必要がある。「冬場のほうが、圧倒的に作りやすいんです」と上田氏。気温が低い方が原料が安定し、均一に漉きやすいのだそうだ。季節によって作り方を変えながら、35年にわたり和紙を漉き続けている。

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国産ミツマタにこだわる理由

箔合紙の原料は国産のミツマタを100%使用する。「一番いい和紙を作ろうと思うと、国産のミツマタに行きつきます」と上田氏。製造過程で1粒でも異物が入ると、金箔が破れてしまうため、原料から小さな異物を取り除く作業に最も神経を使うという。

漉いた直後の和紙は水を含むため、3、4日の乾燥を経ないと出来上がりがわからない。板に張り付けて乾燥させる工程も手作業で行われる。

倉庫の減少と業界の変化

金箔業界全体の縮小に伴い、箔合紙の需要も減少。倉庫の減少が廃業を後押ししている。上田氏の年商は30年前の3分の1にまで落ち込み、後継者も見つからない。注文が半年待ちの状態でも、技術を継ぐ若者は現れない。

「私の代で最後かも」と上田氏は寂しげに語る。日本が世界に誇る金箔文化を支える、唯一無二の和紙が今、消えようとしている。

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