日産ヘリテージコレクション、希少なケンメリGT-Rなど約280台を公開
日産ヘリテージコレクション、希少なケンメリGT-Rなど公開

神奈川県座間市の日産自動車・座間事業所内にある「日産ヘリテージコレクション」では、旧工場を利用した広大な空間に、1930~2010年代の日産車約280台が保管されている。日産の技術の進歩を、時代を作った名車とともにたどることができる。

ケンメリと幻のGT-R

最も目を引くのは、「ケンとメリーのスカイライン」のキャンペーンで一世を風靡し、「ケンメリ」の愛称で親しまれたスカイラインだ。1972年発売の4代目は、ケンとメリーという男女の旅路を描いたテレビCMが話題を呼び、歴代モデルで最多の約66万台を売り上げた。この代から採用されたリング状の4連テールランプが特徴的だ。

その隣の通称「ケンメリGT-R」は貴重な1台だ。発売後の排ガス規制に対応できず、生産されたのは73年1月からわずか4か月間。約200台しか存在せず、「幻のGT-R」とされている。箱のような形から「ハコスカ」と称されたスカイラインもある。ハコスカの一部はハンドルが木製で、今の車より径が大きい。

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ダットサンの脱兎マスコット

日産が創業した33年から終戦頃まで生産された「ダットサン」シリーズを見ると、先頭に銀色の美しいウサギのマスコットがのっていた。名前にちなんで、「脱兎」のごとく軽快に走ることを表している。ラリーカーは、ボディーのへこみや汚れが目立つ。過酷なコースを走り切った功績を伝えるため、ゴール時の状態のまま保存しているそうだ。

保存と展示の歴史

日産の歴史と技術を伝えようと、54年からコレクションの保管が始まり、座間工場の閉鎖に伴って95年以降、この場所に徐々に移された。貴重な車両の保存・修復やイベント展示も担う。

「自分が初めて運転した車に会えた」「家族旅行をした車を見て思い出がよみがえった」などと懐かしむ来場者も多いという。日産の担当者は「戦後復興やバブル経済、環境規制など、車の背景も考えながら見てほしい」と話していた。

住所は神奈川県座間市広野台2の10の1。アクセスは小田急南林間駅からバスと徒歩で約15分、相鉄本線さがみ野駅からバスと徒歩で約20分。見学無料で、ホームページから事前予約が必要。問い合わせは046・298・4355。

記者のお気に入りとして、コレクションの中からパトカーを2台発見した。1972年から神奈川県警高速隊で活躍した「フェアレディ240ZG ハイウェイパトロールカー」はボンネットが長い「ロングノーズ」で、最高速度は当時の日本車でトップクラスの210キロを誇った。赤色灯、サイレン、無線機などが装備され、現役時代の総走行距離は約38万キロに達した。車内には神社のお守りが下げられていた。もう1台は電気自動車「リーフ」のパトカー仕様で、2012年公開の映画「踊る大捜査線THE FINAL 新たなる希望」の劇中で使用されたそうだ。

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