ヤン・コマサ監督による監禁スリラー『HEEL/ヒール』(2026年11月27日公開、配給:スターキャットアルバトロス・フィルム)の新場面写真10点と、監督からの声明文が公開された。
誘拐された青年と“更生”を迫る家族の心理スリラー
本作は、誘拐された不良青年トミーと、彼を“いい子”に更生しようとする不気味な家族をめぐる心理スリラー。監督は『聖なる犯罪者』(2019)でアカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされたポーランドのヤン・コマサが務める。
一家の父クリス役は『アドレセンス』(2025)のスティーヴン・グレアム、母キャスリン役は『To Leslie トゥ・レスリー』(2022)のアンドレア・ライズボロー、トミー役は『1917 命をかけた伝令』(2019)のアンソン・ブーン。プロデューサーにはポーランド映画界の巨匠イエジー・スコリモフスキと、今月11日に77歳で逝去したジェレミー・トーマスが名を連ねる。
穏やかな日常に溶け込む異様な首輪と鎖
公開された場面写真は、リビングでの団欒や子供と遊ぶ姿、ベッドルームでの日常、青空の下のピクニックなど、一見すると穏やかな“家族の時間”を切り取ったもの。しかしどのカットにもトミーの首元には頑丈な首輪と強固な鎖が写り込んでおり、日常風景に自然に溶け込んだ異様な光景が強烈な違和感を生んでいる。
あわせて公開された声明文で、コマサ監督は「たとえ自由でも誰にも見られずにいるのならその自由に意味はあるのか? 自由の中で孤立したまま生き続けたいと思うのか? それとも絶え間なく庇護され安らぎを得られるのなら自由をも放棄するのか?」と問いかける。
ワルシャワの伝説的スタジオで撮影
撮影はワルシャワの伝説的なスタジオで行われた。25年前にテレビ番組『ビッグ・ブラザー』のポーランド版で15人の参加者が自ら進んで監禁された場所でもあるという。その他の撮影はイギリスのヨークシャーで行われ、『嵐が丘』を思わせるメランコリックな風が映画に吹き込まれるかのようだったと監督は語る。
監督は「スティーヴン・グレアム、アンドレア・ライズボロー、そしてアンソン・ブーンと共に、愛と独裁、沈黙と暴力の紙一重の境界を探ろうとした」とし、「過剰なほど緻密で、不条理で、観客を不安にさせるような作品にした」とコメント。「無制限の自由という牢獄か、それとも危うい庇護か。その選択は私たち自身を規定する」と締めくくっている。
ストーリーと出演者
ドラッグ、パーティー、暴力に明け暮れる19歳のトミーは、ある夜、何者かによって誘拐され、人里離れた一軒家の地下室で首輪と鎖につながれていることに気付く。物腰の柔らかな父クリス、心に深い傷を抱える母キャスリン、幼い息子ジョナサンが住むその家で、夫婦は罰と褒美を与えながらトミーを“いい子”に更生させようとするが、彼らの本当の目的とは――。
出演はスティーヴン・グレアム、アンドレア・ライズボロー、アンソン・ブーン、キット・ラクセン。監督はヤン・コマサ。