新宿の老舗ジャズ喫茶「DUG」、ビル解体で突然の閉店へ 創業65年の歴史に幕
新宿の老舗ジャズ喫茶「DUG」、ビル解体で閉店へ

新宿のど真ん中に位置する“新宿カルチャー”の聖地、老舗ジャズ喫茶「DUG」が閉店する。入居しているビルの解体が決まったためだ。創業から65年、村上春樹の小説『ノルウェイの森』にも登場し、タモリら多くの文化人が通った名店が、突然の幕切れを迎えることになった。

突然の閉店決定

DUGの運営を担う中平塁さんによると、ビル解体の正式な知らせが届いたのは今年3月。退去まで4カ月というタイミングだった。「正直、時間がないことに深淵を覗きこむ心境でした。7月1日にビル解体が決定しているということで、こちらには選択肢はない状況でした。時代の流れで抗えないことです」と中平さんは語る。

DUGは1967年、建築家の故・岩淵活輝氏、グラフィックデザイナーの故・和田誠氏、そして中平さんの父でジャズ写真家の故・中平穂積氏のコラボレーションにより、新宿で居心地のよい空間として創造された。「来るべき時が来た」と中平さんは感じている。

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ジャズの自由な精神は変わらず

中平さんの父、穂積さんは2006年以降、店の運営をほぼ息子の塁さんに任せ、自身は友人や知人との交遊に力を注いだ。塁さんは「ジャズという音楽は、今、一周回って、より軽やかで自由なものへと変化していますね。コーヒーの香りのように複雑な理論を抜きにして、若い世代には『日常にちょっとした贅沢を添えるスパイス』として自然に受け入れられているようです。変化というよりは、ようやく日本の生活によい意味で『馴染んだ』と思います。時代と共に変化してもジャズが持つ『自由な精神』は、常に退屈な人々の心を揺さぶるという本質がまったく変わっていないと感じます。それがジャズの最も興味深い点です」と語る。

移転・閉店の危機を乗り越えてきた歴史

DUGは前身の「DIG」時代なども含めて、たびたび移転・閉店の危機を乗り越えながら存続してきた歴史がある。そのため、今回の閉店決定は店のファンや関係者にとって大きな衝撃となった。中平さんは「苦渋の決断ではあったが、そう決めた」と語っており、長年愛されてきた名店の終焉に、多くの惜しむ声が上がっている。

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