本番を翌週に控えた7月28日、秋田市の秋田工業高校の教室には、竿燈会の差し手を担当する生徒たちが集まった。真剣な表情で竿燈の竿につるす提灯の紙を貼り替え、雨や練習で破れた部分を補強していた。同校3年で差し手代表の永井璃蓮さん(18)は「メンバーは高校生だけなので、自分たちで使う道具も直している」と話す。
秋田工業高校竿燈会は、地域の伝統文化に生徒が触れる機会をつくろうと2012年に設立された。現在は1~3年生の23人が所属し、差し手を男子生徒、囃子方を女子生徒が担当する。顧問の能登信治教諭(42)は「高校に入ってから始める生徒が9割近くで、学年ごとに演技の幅が違う」と話す。
秋篠宮ご夫妻の前で会心の演技
永井さんは潟上市出身。中学生の時に見た竿燈の差し手の演技に引かれ、「自分でもやってみたい」と入会を決めた。他の部活と兼任する生徒が多い中、竿燈一筋で演技に磨きをかけてきた。同校竿燈会が使う竿燈は長さ12メートル、重さ約50キロの「大若」。始めた頃は「重くて、バランスを取るのが大変」だったが、下米町二丁目竿燈会のメンバーから指導を受けて練習を重ねた。永井さんは「今年に入ってから難易度が高い『腰』に乗せて上げられるようになりました」と胸を張る。
7月の「第50回全国高校総合文化祭」(あきた総文2026)では、視察の一環で同校を訪れた秋篠宮ご夫妻の前で竿燈を披露した。「普段よりだいぶ緊張した」と永井さんは振り返るが、2か月前から練習を重ねた成果を発揮し、会心の演技となった。秋篠宮ご夫妻から「本番に向けてぜひがんばってください」と声をかけられ、「貴重な経験となり、自信がついた」と話す。
「竿燈は自分にとって青春」
高校最後の竿燈まつりを前に、永井さんは「竿燈は自分にとって青春。メンバーみんなで最高の演技を見せたい」と笑顔を見せた。



